アルゼンチンからイタリアを経由して、モロッコのカサブランカに飛んで来た。 飛行時間にして、約15時間。 移動距離は約1万キロにもなる、、、 南米を離れて、今度はアフリカを旅する為。 その出発点として、エジプトのカイロか、ここモロッコのカサブランカか相当悩んだが、 やはり世界を広く見てみたいという想いから、 まずは西からアフリカの旅を始めることにしたのだ。 つい先日までは真夏の暑さに少し参っていたが、今度は一転して真冬の寒さ。 アルゼンチンのブエノスアイレスを離れた日はとても暑く、日中35度くらいになっていた。 しかし、15時間後のここカサブランカでは、10度という機内アナウンスを聞いて驚いた。 実際、とても寒かった、、、 暖かい服を日本に送ろうかと散々迷っていたが、送らなくて良かった。 モロッコには、二年以上前に来た事がある。 世界三大ウザイ国という批評を聞いていたが、僕はこれといった問題もなく、 どちらかというとモロッコの文化や食事、それにサハラ砂漠を堪能したりと、 良い思い出しか残っていない。 実際、迷惑な輩は掃いて捨てる程いるが、 別に気にしなければ良いだけなのだし、、、 そういうわけで、二年ぶりに訪れるモロッコに、 胸のうちは、少し踊っているようだった。 今回も、問題なく旅を楽しめると良いのだが、、、 カサブランカ。 ここモロッコはもとより、マグレブ諸国でも最大の経済都市だ。 首都はラバとという、あまり知られていない場所にあるが、 ここは経済の面では間違いなく大都市なのだそうだ。 確かに、見上げるような建物が多い。 「 白い家 」という直訳とは裏腹に、 今のカサブランカの色は車の排気ガスが、 造り上げる灰色の街のように僕には思えた。 だからと言って、ここがモロッコらしくないということはない。 街往く人の姿恰好を見れば、ここは間違いなくモロッコなのだ。 大都市だから少し数は少ないが、女性のあの独特な服と靴もそうだし、 男性のあのネズミ小僧のような服も健在だ。 それに、街にはメディナと呼ばれる旧市街もあるし、 その中にはスークという市場もちゃんと存在している。 ここカサブランカに来たのは、飛行機の便が良いのもあるが、 次なる目的地モーリタニアのビザを取得する為に来たのだ。 その手続きは、ある程度下調べをしておいたのでかなりスムーズにいったが、 それでも出来上がるのは翌日のことだ。 なので、余った時間を使って観光することにした。 カサブランカは確か映画の舞台になっている筈。 が、しかし、街を歩いてみてもその理由はわからない。 勘違いかもしれないが、確かにこの街が何かの映画と関係していた筈。 まさか現地ガイドを雇ってみないとその理由が見えてこないのか? ここで一番有名なのは、間違いなく「 ハッサン2世モスク 」だ。 モロッコの独立指導者である前国王の息子がそのハッサン2世。 ここモロッコでは、国王は国民全体の代表者であり、軍の最高司令官であり、 イスラム教の指導者でもある大変偉い人なのだ。 確かに宿でも、商店でも、 レストランでも、国王様の肖像写真が飾られている事が多い。 その国王様、ハッサン2世。 今は亡き人ではあるが、 現役時代に造るように命じたのが、この巨大なモスク。 宗教関連の建物では、世界で三番目に大きいそうだ。 1986年から8年がかりで、3300人の職人を動員して、全て手作りで造られたそうだ。 内部には2万5千人も収容出来るらしい。 何でも、その内部も相当な装飾が施されているとか? 確かに、見るからに荘厳なモスクだ。 モロッコの威信をかけて造り上げられたであろうこのモスク。 お粗末な話がある。 というのも、現代でこんなにすごい建物を造ったら、当然莫大なお金がかかる。 今は亡き本人が何を思って造るように命じたのか知らないが、その資金、 何と国民からの寄付金や税金で賄われているそうだ。 しかも、それが高くて、国民には負担になっていると聞く。 とんでもない話だ。 国王だか何だか知らないが、生きている人の身になって考えてあげたらどうなのだろう? 恥ずかしい話ではある。 だって、国民はまだ生きていて、日々の生活が大変なのだから。 それにしても寒い。 特に朝晩は良く冷える。 日中でも陽があまり差さないから、気温が上がる事はない。 室内では吐息が白くなるのが分かる。 お湯シャワーを浴びても、水シャワーを浴びているのとかわらない。 なんて寒さだ。 とりあえず持っている衣服を着込んで凌ぐしかない、、、 カサブランカ。 用が無ければ来たくない所かも、、、 Copyright (C) HITOSHI KITAMURA All Rights Reserved.
by hitoshi280477
| 2006-01-07 08:39
| Morocco
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