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Mali vol.10 「 フラニーさんたち 」

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 モプティのバニ川の中州にあるフラニーの集落に知り合ったガイドと行った。 始めはあまり行く気はしなかったが、そのとき一緒にいた日本人の二つ返事で行くことになった。 川岸で小船をチャーターして行くのが一般的のようだが、僕らのチャーターしたのは辺に中くらいの船で、しかも船頭はエンジンを使わず、それどころか船首から船尾に向って棒で進んでいた、、、 変なの。 もちろんその分時間はかかってしまった。

 船上にいる時は川沿いの道を歩いている時よりも、もっとずっと心地良い風は吹いていた。 ガイド料と船代を考えても、その心地良さだけでもう充分な気持ちになってしまった。 エンジンを使わないことが逆に功を奏し、その人力で進む速度がちょうど良かったのだ。




Mali vol.10 「 フラニーさんたち 」_a0086274_20351325.jpg  少し進むとそこはもう目指す中州だ。 川岸でフラニーの人々が洗濯をしている様子が良く見える。 ガイドによると、彼らはとてもフレンドリーなので写真を撮ったりしても構わないとのこと。 もっとも船を川岸の間にはそれなりの距離があるので、そんなことはあまり気にしていないだろうし、それに散々観光客に写真を撮られているのだろうから、そういった面で気にしないのかもしれない。

 船からでも確認出来た事は、川岸で洗濯や洗い物をする人の中には、胸を丸出しにしている女性の姿があることだった。 本当に丸出しである。 ガイドに尋ねると、どうやら彼女たちはまだ未婚の独身女性なのだそうだ。 、、、独身女性? 普通に考えたら、独身女性がそんなことをするのは変だ。 もう咲き終わったオバちゃんが、ヤケになってもうどうでもよくなっているなら話は分かるが。 変な習慣だ。




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 集落に近付くと、それまで川沿いの道から遠巻きに見ていた村の様子がよく見えた。 背の低い土壁の家に、藁葺きの屋根が乗っかっている。 台所というものは、どうやら家の外と中の併用らしく、辺りには鉄釜が転がっていたりした。 家の傍で飼育する家畜としては、川岸から見えた牛よりも、ヤギのほうが多かった。 数件の家の間を歩いたりもしたが、そんな中にお土産屋さんがあるのには驚いた、、、



Mali vol.10 「 フラニーさんたち 」_a0086274_20353818.jpg この辺りでよく見かけるウスと背丈程ある大きな棒を使って何かを叩いたり、砕いたりしている所に出くわした。 日本の餅つきとそっくりなのだが、ここでは葉っぱを乾燥させたものを砕いたりするのにも使うそうだ。

 そう言えば、これはセネガルでも、ドゴンでも見たことではある。 この辺りではこれは一般的なのだろう。 若い娘さんでもそれなりに一人前に作業を進める事ができ、ドスンッ と棒を叩き落としては、ひょいっ と棒を上げたりする動作を繰り返している。

 何だか懐かしいリズムで作業は進められて行くのだが、そんな中にもアフリカン・スタイルなのか、棒を上げる時に手を離して、バチンッ と手を叩いたりなどのちょっとした小技を加えたりしていた。



 フラニーの人はそれなりにフレンドリーだった。 別に直接話をすることはないのだが、いつも ニコッ として挨拶をしてくれるのはフラニーが一番多かった気がする。 愛想が良く、仕事も真面目に取り組んでいるし、綺麗な色の服に頭を布で覆い、それにある程度の装飾品を欠かせない人々である。

 一つ彼女らについて興味深いのは、年頃の女性のメイクだ。 それがこちらでは美しいと言われていて、もっと自分をアピールする為に施す彼女らのメイクは、初めてそれを目にする者をきっと ぎょっ とさせることだろう。 しかし、当たり前だが、こちらではこれが当たり前のなのであって、これが良いのだ。



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 男性陣が一体何をしているのかには疑問が残った。 フラニーの場合は、女性がそういった衣装や装飾品、それにあのメイクをしているのだから分かり易いが、男性はどうなのだろう? つい聞きそびれてしまった。



 フラニーの集落を訪れてから見る彼女らの洗濯する様子は、やはり訪れる前と後では少し違って見えた。

 誰にでも生活はあるのだ。 それが何処であろうと、どんな民族であろうと、どんな仕事をしていようと、それ自体はそんなに大した事には思えなくなっていた。

 彼女たちのように、仕事に真面目に取り組んで、且つ楽しみながら、笑顔のある日々を過ごせたら良いな、と思った。






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by hitoshi280477 | 2006-02-10 16:56 | Mali
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