実際ガーナに来てみて思ったのは、同じアフリカ人と言えど、人々に違いが見れるということだった。 それがガーナ人だからなのか、それが地理的な事からなのか、それが英国の植民地からだったからなのか? その辺のことはあまり詳しくは分からなかったが、今まで通って来た西アフリカの国々とは違う点が多々あった。 時には、明らかに違う事もあった。
ガーナ人はフレンドリーである。 それはどこの西アフリカでも変わらないかのように思える。 そして、僕としては言葉が通じる事もあるから、より触れ合う事が出来て、会話を通してそう感じる事が多かったのだ。 もちろん、フレンドリーなだけでなく、親切でもある。 大概の場合において、何か助けを請えば、何とかしてくれるのだ。 特に、道を探している時などは頼りになる程だし、乗り物の相場を教えてもらったりもした。 一度驚いたことは、乗り合いバスでたまたま隣に座ったまだ若いお母さんが、僕とバスの助手のお金のやり取りを聞いて、間に入ってくれてお釣りをもらうのを助けてくれたりも下。 別に頼んでもいないし、自分で何とでも出来る状況だったのにも関わらず、彼女はわざわざ間に入って、そうやって手助けしてくれたのだ。 もちろん、中にはやんちゃな若造やどうしようもないおっさんもいて、相変わらず「 チンチョンッ 」とか、「 チャイニーズ・マンッ 」とか言ってヘラヘラしている奴も多い。 ただ、こうした輩に詰め寄って、「 何だ!? 何がチンチョンなんだ!? 」とか問い詰めると、大概の場合にて「 ごめん 」と謝る。 謝るくらいなら始めからそんなことを言わなきゃ良いのに、、、 ただ、まだそこで謝るのがガーナ人なのだ。 時には、ビビって逃げる奴もいるくらいなのに。 そうガーナ人は謝るのだ。 こんなの他の西アフリカでは経験した事がない。 それが、謝ることのないフランスが旧宗主国からなのか? その辺は分からないが、これは本当の話で、ガーナ人同士で謝っているのを目にする事もある。 それが、例えば肩がぶつかった程度でも謝る程なのだっ! ちなみに、僕が夕食後に外を夜歩いていて、数人の若者の中の一人が、「 チンチョンッ 」と言って来た。 いつもの事なので、僕は気にしない様に歩いていたのだが、奴が何度も「 チンチョンッ チンチョンッ 」と言っているのに、さすがに頭に来たので、一緒にいた旅友に一言、、、「 ちょっと行ってきます 」と言ってそいつに詰め寄ったことがある。 僕が近付くだけで、相手は既にもうビビっている。 まさかこのチンチョンが振り返ってしかも、向ってくるとは思っていなかったのだろう。 しかも、彼の言う所のチンチョンは紛れもなく中国人なのである。 そして、馬鹿な話だが、彼らは未だに全中国人がジャッキー・チェンやブルース・リー、それにジェット・リーのようにカンフーの達人だと思っている節がある。 なので、そんなチンチョンが近付いてくるだけで、ほとんどの奴はビビリ、子供は逃げる。 そして、向こうから明るく努めて誤摩化そうとするのだ、、、 「 ハロー 元気か? 」と、僕はなるだけにこやかに挨拶をした。 「 チンチョンッ、、、 て、どういうことだ? 」といきなり話しを切り出す。 「 い、いやぁ、、、 君たちのような人をチンチョンって呼ぶんだよ 」 「 何だそりゃっ!?(怒) 」 「 ご、ごめん、、、 」 最初に交わした握手の時から、そいつは悄気ていた。 それが愉快でたまらない。 はっきり言って、馬鹿だ。 人をからかっておいて、最後には反省しているのだ。 しかも、いい大人がっ! 悪気はないのは分かる、だからと言ってそういうのを許しておくわけにはいかない。 人を馬鹿にしているのだから。 「 あのな、お前は一体幾つなんだ? 5歳のガキンチョじゃないんだから、つまんないことをするなっ 分かったな? 第一、自分で良くない事をしたと知って、反省しているじゃないか? 大人なんだから、そんな風になるな 馬鹿と思われるぞ 」 「 、、、 分かった ごめん 」 奴の周りの友達は、苦笑を押さえるのに精一杯だった。 それでも、やはりガーナ人は真面目だと思う。 それが、国民性だと言ったら、そうだと思う。 道行く人を見ていると、何だかそんな気がしてならない。 まあ、もちろんアフリカでの話だが、、、 ただ、やはり少しは教養があるのか、時にはまともな話が出来る人もいる。 それが、別に経済とか国際情勢に詳しいとかではなくて、普通の人間としてまともに話が出来ると言っているのだ。 だからこそ、ガーナは他の国に比べて、その国自体がまともに見えるのだろう。 走って来た道路を見てもそうだし、ガードレールがあるのもそうだし、街灯があるのもそうだし、コンピューターでバスのチケットが買えるのもそうだし、インターネットの回線が速いのもそうだし、停電がほとんどないのもそうだし、ちゃんと挨拶するのもそうだし、、、 そういう面を見ると、ガーナという国はとても良い環境だ。 ああ、そうそう国境での 餌 の請求もなかったしっ! 明るくピースフルな国民性と称されるガーナ人。 来てみて、それを実感する事となった。 その中で言葉が理解出来るというのは、もちろん重要だったが、それ以上にガーナ人の国民性によって、ガーナでの滞在そのものが非常に有意義になったのは言うまでもない。 「 またいつか来たい 」とそう思わせる国ではある。 その頃まで、そのフレンドリーで、ピースフルで、きちんと謝れる?国民であって欲しいと切に願うのだ。 Copyright (C) HITOSHI KITAMURA All Rights Reserved.
by hitoshi280477
| 2006-03-04 09:01
| Ghana
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