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Myanmar-2 vol.10 「 今日のビルマに生きる人々 」

Myanmar-2 vol.10 「 今日のビルマに生きる人々 」 _a0086274_20505479.jpg
 今日のミャンマーはかなり特殊な状況にある。 一応、軍事政権というのは崩壊したことになっているらしいが、その時代に造り上げたビルマ式社会主義というのが今日も根強く残っているとか。

 ビルマ式社会主義、住民の民主化要望、少数民族問題、「 鎖国 」が招く経済の停滞、脆弱な社会基盤、、、 ミャンマーの抱える問題は多い。 そのどれをとっても、今後の国の姿を懸念させられるものばかりだ。



Myanmar-2 vol.10 「 今日のビルマに生きる人々 」 _a0086274_2051592.jpg そんな中での人々の生活は苦しい。 政府は相変わらずで、態度を少し軟化させてはいるものの、民主化を認める訳でもなく、住民は今も政治に口出すことはタブーのようだ。 経済に至っては、人権問題のせいで先進国からの援助や投資は期待が持てず、今では中国など経済の伸びが良い所や、近隣諸国との繋がりを強化することでかろうじて混乱を押さえている感じらしい。

 それでも、一般の住民の暮らしは大変だ。 一日$1、一ヶ月$30というのが、ここミャンマーの平均収入らしい。 もっとも、ヤンゴンで働く人と、田舎の農村で働く者の間には、貨幣における極端な差があることは間違いないので、この数字はアテにならない。 それでも、以前からずっと続くインフレに労働者の賃金が追いつかないので、人々の暮らしは一層困難な様子だ。

 それに、この気候も大変なものだ。 この国に生まれ育った人でさえ、きっとこの雨期と乾期のギャップは相当応えることと思う。 あの雨の量に、あの湿度に、あの気温に、あの日差しの強さだ。 そんな中での暮らし、、、 僕には耐えられるかわからない。



Myanmar-2 vol.10 「 今日のビルマに生きる人々 」 _a0086274_20513418.jpg それでも、人々は逞しく今日を生きている。

 そんな大変な状況下でも、その時、その時を楽しそうに生きている。 人々は毎日に「 生き甲斐 」や「 喜び 」を感じているようだった。 こんな大変な生活環境でも、人々の間には「 笑い声 」や「 笑顔 」が多く見られる。 直面している現実が大変だからこそ、もっと人間らしく生きることができるのだろうか?



Myanmar-2 vol.10 「 今日のビルマに生きる人々 」 _a0086274_20593979.jpg この国に生きる様々な人々のことを想う。 国民のほとんどが信仰しているという仏教が、彼らを強く支えていることは間違いない。 その精神的拠り所が、彼らの「 強さ 」ということになっているのだろう。 それは、人々の高い道徳心にも非常によく現れていると思う。

 彼らの住む「 精神的世界 」、それは「 物質的世界 」に蔓延る「 物欲 」をより酷く醜いものに感じさせ、その反面、「 精神的充実 」は非常に尊いものだと僕は思う。



Myanmar-2 vol.10 「 今日のビルマに生きる人々 」 _a0086274_20595815.jpg ミャンマーの将来は、今のところ予測するのは難しい。 正直、民主化に切り替えたところで、物事全てがうまく行く訳ではないし。

 それでも、今のように人間としての権利、いわゆる「 人権 」が侵されるようなことがあってはならない社会には早いとこなって欲しい。 その後、必ず来るであろう経済戦争に、人々は多少なりとも揉まれるかもしれないけど、、、

 豊富な人口に、広大な国土、それに豊富な天然資源、、、 それに加え、この勤勉で実直な国民性。 世界経済から見ても、きっと魅力的な場所に見えることだろうからだ。



Myanmar-2 vol.10 「 今日のビルマに生きる人々 」 _a0086274_2102531.jpg きっといつか来る「 その日 」になっても、ミャンマーの人々が、今のように高い道徳心と親切な人々であって欲しいと僕は思う。

 そして、子供たちの瞳に見られるように、輝かしい未来を勝ち取って欲しい。

 この国のことを想うと、そう願うばかりだ。






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by hitoshi280477 | 2005-08-10 01:52 | Myanmar-2
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