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Alaska vol.8 「 移動・移動・移動 」

 荷物をまとめて宿を出る、、、 YHとうたっているいるにも関わらず、部屋に鍵もかからないレベルなのだから、見送りなんてある筈もない。 それどころか、「 荷物を取りたい 」と言えば、オフィス横にある棚から持って行けるのだから、、、 たぶんもう泊まることはないなぁ。

 外は9月も中旬とあって夜の帳が降りると共に、気温はぐっと下がっていた。 移動費に関しては、「節約」を前提としているので、空港までは路線バスで行くことに。 下調べしてあった時刻表をもとに、徒歩圏内のバスターミナルへと向う。 陽が落ちた後では、少し治安が悪そうに見える。

 アラスカ州は特別な州制度がある。 内陸部で採れる石油の売り上げ金のお陰で潤っている財政は、昨今の石油高のお陰から、その資金を元に基金を設立し、更なる利益を産み出している。 それを州民に「配当金」として再分配する制度というのがあるのだ。

 ただし、受給資格はアラスカ州に一年以上住民登録している、などという基本的なことを満たせば、誰にでもあるという。 しかも、この制度は子供にも当てはまる。 そして、今年は原油高騰のお陰で、州民一人当り、、、 なんと$2200?

 基金設立以来、ある程度の配当金はあったそうなのだが、、、$900、$1300、ときて$2200?? なんだか自分の耳を疑ってしまったが、どうやら本当のようだ。 これが毎年10月頃政府から頂けるそうなのだ。 一家四人なら、$8800 ???


 、、、そんなこんなで、アラスカ州には方々から労働者がやってくるようで、、、 まぁ、そんな中に紛れてやって来た人の中には、結局仕事が見つからず、こういったバスターミナル周辺にウロウロしているので、なんだか印象が悪くなってしまう、、、 というのが、オチ。



 空港にやってきた。 まだ20時。 出発時間は夜中の1時、、、 さぁ、どうする?

 どうするも何も、どうすることも出来ず。 人気の少ないベンチに居座り、荷物に足を載せ、、、 ぼけっとするしかないのだ。 アラスカ一の空港とはいえ、チェックイン前のロビーでは出来ることはほとんどないのだから。 駄目もとで1つ早い便に乗ろうと思ってTRYしたが、、、 やはり駄目だった。 まだこの先のシアトル空港のほうがイロイロあるんだけどなぁ。

 やる事のないロビーで唯一感心を惹いたのは、、、 AUTO CHECK IN システム。 ATMのような端末がロビーに置いてあって、そこで自分の情報を入力しながらチェックインをすることが出来る。 しかも、座席まで選ぶことが出来るのだっ! って、力説しても、今では世界の何処かでは標準設備なのかも、、、



 なんやかんやで夜中の一時まで飛行機の出発を待ち、シアトルでロサンジェルス行きに乗り換え、更にロサンジェルスから成田まで乗り換え、、、 移動時間の24時間のうちに、飛行時間は20時間近くに、、、 ただでさえ、アラスカ出発間際からはずっと移動移動の連続だったので、どうやら疲れが溜まっていたらしく、、、 ロサンジェルス空港を離陸するまさにその瞬間! 鼻血が出た、、、 恥っ



 数万年前まで氷河に覆われていたアラスカの大地。 その氷河が移動する際に大地を削り取ったお陰で、今日の景観を我々は楽しむことが出来ている。 その我々の祖先はまだベーリング海峡が繋がっていた時代に、アジアから北米へと歩いて渡ったと聞いている。 それは、実に途方もないスケールの話だ。

 マッキンリーを見た時に感じた事は、「 不動 」という畏敬にも似た念だったのだが、時代が立てば違う印象を受けるのかも。 それも数万年単位で考えればね、、、

 そうと思うと、時代も、自然も、そして人間も移り変わって行くんだ。 正に「 諸行無常 」だ。
by hitoshi280477 | 2008-09-09 18:07 | Alaska
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