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Togo 「 トーゴ@西アフリカ 」


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見た目が細くて長い国は、やっぱりどこかヒョロかった、、、

Togo トーゴ@西アフリカ

2006年3月の旅話。




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by hitoshi280477 | 2007-11-01 07:49 | Togo

Togo vol.3 「 アフリカ庶民経済最前線? 」

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 街歩きをすると行っても、特に見所のない街ではある。 そうなると決まって行くのが、市場ということになる。 ただそれも、街の中心へと出るのに、通り道にあったから行ったようなものなのだが、、、



 正直、市場を見て回るのは楽しい事だ。 そこで生きる人々が、日々の生活に必要な物が売られているのだから、そういう意味では非常に興味深く、また勉強にもなるのだ。 その地方独特の食材や、その風土にあった服飾、また宗教上に必要な物などなど、他の地域とは違った何かが見えるのだし。



 しかし、ここトーゴのロメの市場では、特にこれといって目新しいものはなく、本当に生活に必要な物ばかりが扱われているだけだ。 しかも、軒並み同じ物を売っているのだから、その面では面白くも何ともない。 ほんの少し違って見えるのは、商品の並べ方が違うからだ。 基本的にどのお店も同じなのだ。

 そんな中で一番驚かされ、かつ、もう既に飽き飽きなのは、どの店のどの商品も「 中国製 」だということだ。

 これは別にトーゴに限ったことではなく、西アフリカ全域に渡ってそうなのだが、実に驚くべきことではある。 お店で売られている服やら、バケツやら、乾電池、ラジオ、ひげ剃り、歯ブラシ、懐中電灯、薬、靴、サンダル、ペン、ステンレス製のコップや食器、、、 ほんとに何から何までそうなのだ。 ちなみに、モーリタニア人が日々欠かす事の出来ないお茶も、その茶葉は中国から来ていたのだ! あれだけ一日中お茶ばかり飲んでいるのに、それが中国から来ているとは、、、



 「 侵されている、、、 」



 そう思った。 というのも、ここ西アフリカでは、日常に必要な生活用品のほとんど全てが中国製なのだ。 もちろん野菜や肉といった食料は現地で生産されているのだが、それでも現在では主食とされているお米でさえも中国を始めとする東南アジアから来ているほどなのだ。



 それは驚愕の事実だ。 



 生活していく上で、必要なモノのほとんど全てを中国を始めとする諸外国からの輸入に頼っている。 依存しきってしまっている。 なにせ自分たちでそういったモノを造りだすことが出来ないのだからしょうがない。

 しかし、その依存度を見れば、かつてはそうであったであろう「 自給自足型の生活 」が、「 中国製品依存型の生活 」になってしまっているのは明白で、それがどんなに好ましくない状況を産んでいることか。 もし仮に、中国との政治・経済的関係が悪くなってしまったりしたら、ここの生活は足下からものの見事に崩れていってしまう。

 また、そういった中国製品を買い求める 買い手 のみが依存しているわけではなく、その輸入された中国製品を取り扱って商売している 売り手 にも中国への依存度は高い。



 どういうことかというと、そういった中国製品を左で安く仕入れて、右に少しの手間賃を上乗せして利益を産み出し、そしてそれで生計を立てているのだ。 そのほんの僅かな利益で生きている人が少なくない。 なにせ、自分たちで何かを生産することの出来ない人々なのだ。 そういうところにしか、利益を見出す事が出来ないのだ。

 何か付加価値をつける事によって利益を産み出していると言えば聞こえは良いが、単に問屋から大量にモノを仕入れて、それを街中を歩き回って売っているだけの話、、、 そんなに利益が上がる筈はないのだ。

 そんな人が市場にも、街にもたくさんいるわけで、そんなところには間違いなく競争力はなく、そういった商売をする人のほとんどがそのほんの僅かな利益で日々の糧を得ているのである、、、

 だから、もし仮に何らかの理由で中国製品がこの地域にやって来なかったら、その両方の面から生活に窮する人が大量に産み出されることだろう。 それを思うと、それは非常に危険な状態ではあると思う。 他人や何かに依存し過ぎてしまうと、そういった恐ろしい事態を引き起こしてしまうと思うのだが、、、



 ここで生きる人々に、そんな話をした所でなんの意味も無く、ましてや彼らに選択の余地はないのだから。 それに、それだけ中国製品(=中国)に依存しているくせに、中国人のことを馬鹿にしている程のお馬鹿さんたちばかりなのだから、もうどうにもならない。 まあ、どうなってもいいが、、、

 

 アフリカ庶民経済最前線。

 第三者的に考えれば、それは恐ろしい経済環境であるのだが、、、 

 残念ながら、選択の余地はないのだ。






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by hitoshi280477 | 2006-03-09 15:56 | Togo

Togo vol.2 「 呪術的市場 」

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 呪物崇拝

 辞書で調べると、そんな言葉が検索された。

 読んでみると、「 アフリカの未開社会に見られる呪物の崇拝と儀式、、、 」とある。

 確かにあそこで見て、聞いたことを振り返ってみるとそれなりに納得する出来る部分が無くは無いかもしれない、、、



 「 Marche des Feticheurs 」という市場がある。

 ロメの街からバイタクに乗る事約15分。 舗装道路からは少し外れた寂しい感じのする場所に、その市場はある。 屋外に軒を構えているせいか、思っていたよりは妖しい感じのする所ではなかったが、すぐに近付いて来た奴らは怪しい感じのする男たちだった。

 ここの酋長?とその付き人のような男たちは、にこやかに挨拶を済ますと、僕たちにここでの決まり事を勝手に説明し始めた。 外国人にも慣れている口調でなんだかんだと説明されたが、結局はお金が欲しいのだ。

 この酋長という男に何か(=お金)のような謝礼だとか、付き人をガイドとして雇わないとこの市場を見て回る事は出来ないとか、、、 旅友が仏語でそんなようなことを言われたらしいのだ。

 何だか意味の分からない話ではあるので、とりあえず無視することで僕らは合意。 何かマズイことがあれば、本気でやって来ると僕は思っていたし、、、



 市場と呼ばれる敷地内に点在するお店を見てみると、その軒先に大きなテーブルを構えていて、その上に何だか不思議な何かがたくさん載っていることにすぐに気付いた。 少し遠目からでも、その異様な光景から妖しい雰囲気が伝わってくる。

 近付いて見てみると、テーブルに並ぶその妖しい物が何なのか分かった。

 それらは、主に動物のミイラだった。 馬や鹿といった大型の動物から、蛇や猿、それにチーターやカメレオンまである。 恐らく狩猟をして捕まえたと思われる豹までいるのだから驚きだ。



 そして、足下見てみると、木製の小さな人形がある。

 もしそれが藁で作られていたら、間違いなく呪いの人形だ。

 というのも、艶が出るほど黒く塗られていて、しかも釘がたくさん打ちこまれているのんだ。 それが一体何に使われているのかは分からないが、あんまり良い意味ではないのかもしれない、、、 まあ、効果はありそうだが。





 そんなのを眺めていると、お店から誰かがやって来た。 店の親父だ。

 嫌な感じがしていたので、あんまり気乗りはしなかったのだが、旅友に誘われてお店の中に親父の言う「 無料での説明会 」に参加する事になった。

 お金がどうこうというのはあんまり綺麗な話には聞こえないが、アフリカで、しかもこんなうさん臭い所では、その辺の所を念を押して聞いておかなければ駄目なのだ。



 お店(といってもただの小屋)に入ると、その隅にはこれまたうさん臭い置物がたくさん並んでいた。

 形はもちろんのこと、大小様々な置物が置いてある。 そのどれもが人や空想上の生き物をモチーフにされていて、木や鉄を加工して作られていた。 見て思ったのは、ただ 異様 ということだけだった。

 僕らはその傍に座るように言われ、そして親父が仏語で話し始めた、、、



 何たらかんたら話をしているのは分かる。 なんとなく会話の内容も分かる。 そして、言いたい事もなんとなく伝わっていた、、、 が?

 彼らの信仰する呪術に関する簡単な説明を受けると、親父はそのいくつもの置物の中から小さな筒状の物を僕らの目の前に差し出した。 それは、手の平に余裕ですっぽりと入る大きさな小さな筒で、昔何処かのお土産物屋で見たことのある七味唐辛子が入っているような筒だった。



 「 いいか、これはな、、、 」



 仏語で話しているので、細かいことは分からないが、どうやら魔除けのような、幸運を呼び込むようなアイテムらしい。 まあ、全く持ってうさん臭い物ではある。 親父は、その小さな筒の横に付いている小さな栓を抜いて、何だか何かを吹き込んでいる様子。 そしてまた仏語での説明がある。

 親父曰く、、、



 「 これは君たちのような旅行者にはピッタリの一品だ これは無事に旅行出来るように、、、 なんたら、かんたら、、、 」



 よく意味の分からない説明ではあったが、どうやらその小さな筒が旅の道中のお守りになるとか、ならないとか? とりあえずどっちでもよいし、別に欲しくもない。 なので、あまりその筒に興味を示さずにいたが、ハッキリ言っておこうと思って「 要らない 」という旨を伝えると、なんと親父はその筒をそのそばに ポイッ と放り投げてしまったのだった!!

 「 なんてことを、、、 って、いいのか? 」

 そう突っ込んで聞いてみると、「 別にいいんだ 」みたいな態度を示している。 明らかにどうでも良い品物なのだ。 それをあたかも何か奥深い意味でもあるかの如く説明して、売りつけようとしていたのだっ!

 それで、結果商品そのものをお客の目の前で放り投げるとは、、、 なんたる愚か者だ。



 旅友と二人で目を丸くして、僕は呆れていたが、彼は「 なんか他にないのか? 」と聞いてみた。 が、その結果「 もう他に何もない 」と言う、、、

 先程、店内に連れ込むまではあんなり商魂逞しかったのに、一度売れないと分かるとこれだ。 なんたる愚か者だ、コイツはっ! そんなんで商売になるのか? そんなんで生活していけるのだろうか? こちらは関係のないことだが、あまりにも商売にやる気がなさ過ぎて、どちらかというと心配になる感じだ。 まあ、向こうがそうなら、もういいや、、、





 最後に、お店の前に並ぶ 商品 を写真に収めようと思い、一応確認を撮ると、やはりお金で解決のようだった。

 そんなにお金を払う必要はないのだろうが、後でグダグダ言われたり、もめ事になるのは避けたいので、交渉の末、少しの金額で写真を撮らせてもらうことになった。

 結局、お金があれば、何でもよい感じだ、、、 最低。





 そこには結局一時間ばかりいたのだが、結局のところ、その呪術のことはよく分からなかった。 というか、話を聞いても、きっと理解出来ないことと思う。 まあ、そんなものだ。

 確かに不思議な体験をしいたといえば、それで話は解決する。 ただ、ここ西アフリカではそういった超自然的現象を信じているのは事実のようだ。 それが、自然なり、動物の亡骸なり、木の人形なりといろいろな形をとってはいるが。

 現代でもそれを信じているのは、ちょっと首をかしげてしまう部分もあるが、その本人たちが信じていて、人に迷惑をかけなければ、それで良いと思う。

 そう、放っておけば良いのだっ!






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by hitoshi280477 | 2006-03-08 15:55 | Togo

Togo vol.1 「 西アフリカの真珠 」

 二人で移動していた為に、少なからず油断していたのか、国境に着いたのはもう夜の帳が落ちた頃だった。 とっくの昔に日はとっぷりと暮れていて、それは辺りの様子がよく見えない程だった。 もっとも、良く見えていなかったのは、ついさっきまでバスの中で寝ていたからということもある。 そして、突然起こされて、ガヤガヤワイワイうるさい集団の中に巻き込まれたのだから、機嫌もすこぶる悪かった、、、

 とりあえず辺りは暗いのだが、乗り物の光で人の動きがボンヤリと見える。 何となく人の進む方向へと歩いて行けば大丈夫だと思い、暗闇の中にうっすらと見える黒いシルエットを追った。

 そして、歩き始めて驚いた。 道路の両側に、不気味な光の列が並んでいるのだ。 よく見てみると、それらはろうそくの明かりを頼りに路上で商売をしている人たちから発せられていた。 無数のろうそくによって作られたその光の線は、綺麗でどこか幻想的ではあるのだが、最初はまだ寝ぼけていた事から、変な世界にでも迷い込んだかと思っていた、、、



 入国管理局に向い、手続きを済ませる。 特に問題はない。 旅友の手元に残ったお金で、飲み物を買ってもらい、リフレッシュしたところで国境越えは終了。 歩いていると何処からともなく聞こえてくる「 波の音 」だけが、この国境が海沿いにあるということを教えてくれていた。 思えば、こんなに海岸が近い国境を越えた事は無い。



 すぐにバイクタクシーに話しかけられた。 そう、こちらトーゴにはバイタクがあるのだ。 今晩泊まる予定のロメは、トーゴの首都であるのだが、変わっていて、何とガーナとの国境の街がそのロメなのだ。 今までそんな首都は聞いた事もないが、とりあえずここロメはそうなのだ。

 がんばれる人ならば、きっと歩いてしまうかもしれないが、もう既に辺りは暗くて、しかももう相当眠いので、「 いや~、バイタクで行きましょうよ 」と言ったのは僕だった。 





 走り出してすぐに、海岸線を行っていることに気付いた。 いくら夜とはいえ、たくさんの椰子の木が並んでいる様子は、容易に確認出来た。 それほど、ここは海にも近かった。 そして、そんなことを思っているうちに、とりあえずの場所で降ろしてもらう事にした。

 周辺を散々歩き回ってやっと見つけたアテにしていた宿には、「 紹介がない 」という意味の分からない理由で追い出された。 しょうがないので、人に安宿を聞いて街を歩き続けてついた場所は、、、 少し嫌な予感のホテルだった。 しかし、こちらはもう汗だくで、疲れていて、お腹も減っていて、早く寝たいのでそのWベッドを男二人で寝る事に何の不満も、、、なくなっていた。

 翌朝、早々に宿を移った。 まあ、似たような結果だったが、、、





 「 かつて、ロメは西アフリカの真珠と謳われた程の美しい街、、、 」とはガイドブックにある言葉だ。 しかし、その「 かつて 」の表現通り、ロメの街は今現在に至っては、あまり パッ としない街というのが印象だった。

 海岸線に続く椰子の木の眺めは良いものの、辺りにはゴミが散乱していたり、汚水が海に注ぎ込む様子が見れるだけだった。 それに、何もすることのない人々がその椰子の木の下で、ただゴロゴロとしているの様子が見ていて気持ちの良いものではなかった。 タイミング悪く、曇りがちな空の下に見る砂浜はどこか寂しげな面持ちをしていた。 ネットのない木枠で作られただけのサッカーゴールが、何だか哀愁を漂わせてもいた、、、



 少し海岸線沿いに作られた歩道を行くと、変わった看板を見た。 イラストが施されたその看板には、仏語で「 三つの禁止事項 」が書かれていた。 もしその禁止事項を犯すと、5000CFA(=約1100円)の罰金を課せると書いてある。 そして、その肝心の三つの禁止事項とは、、、

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 1) 野糞

 2) 立ち小便

 3) ゴミの不法廃棄



 そんな禁止事項が書かれた看板が、椰子の木に打ち込まれているのだが、もちろんそんなのを住民が気にしている様子はない。 その目の前にゴミの山があるくらいなのだからっ!

 しっかし、そんなことをわざわざ看板を仕立ててまで示さないといけないなんて、社会の規律と人々の倫理観がよっぽど欠落しているのだろう。 もちろん自分の国でもそういう看板を見かけないわけではないし、他の先進国にだってそういう注意事項を掲げている所はあるのだが、、、 ここではそれがあまりにも露骨に見え過ぎてしまい、しかもそれでも守られていないというのが現状のようだ。


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 ロメの街にはバイタクがウジャウジャいる。 バスが存在するんだか、存在しないんだか分からないので、歩く事の出来ない距離はバイタクでの移動となる。 どうやら、国に申請して、ちゃんとした許可を得る必要はないようだ。 それどころか運転免許の存在すらも疑わしい感じ。

 運賃が安いので、利用価値は大。 ただ、街を走るバイクの数が多過ぎる上に、バイタクをやっている人が特別な制服でも着ているわけではないので、誰がバイタク営業中かを判断するのが少し難しかったりする。 まあ、ほとんどの人がバイタクをやっているというのは分かるのだが、、、

 面白いことに、街を走るバイクのほとんどが日本製の旧式のバイクだ。 遥か遠く日本を離れた西アフリカの国で、日本の中古バイクは活躍している。 人々の移動手段としては欠くことの出来ない感じのバイクだけに、この日本製の中古バイクたちが彼らの生活の一部を担っていると言っても、それは決して過言ではない。



 ただ、そのバイクの数が街の独特の雰囲気を造りだしているとも言え、また乱しているとも言える。 所狭しと走る大量のバイクの姿は、少なくともそこを訪れる者にとっては心落ち着かない。

 信号こそ守るものの、車線など気にするわけがなく、どんなに短い距離でも皆が先を争っている。 それに、まだ男の人ならば、見ていて特に何も感じないが、民族衣装(普段着)を着たでっぷりとしたオバちゃんがバイクに跨がって街を疾走する様子は見ていて怖いものがある。 バイクだけに、運転技術など大して必要ないと思うが、そんなオバちゃんたちを見ていると、どうしても不安になってしまう。

 実際、乗り合いタクシーで移動中に事故を見かけた。 T字の交差点でタクシーが警察に止められて、書類の確認をされている時だった。 「 ガチャンッ 」という音に反応してその音源の方向を見てみると、そんな服を身にまとったオバちゃんが道路の真ん中で、バイクの下敷きになる感じで倒れていた。 そのすぐそば、対向車線側にはタクシーが止まっていた。 そのタクシーの運転手の動揺している様子から察するに、彼が加害者のように思えた。

 すぐに回りの人々がオバちゃんに駆け寄り、路上から歩道へと運び出し、幸いにも怪我すら無かったようだった。 しかし、驚く事に、その場にいた警察は遠くからそのタクシーの運転手になんだかんだと言っているだけなのだ。 そして、その運転手も負けずに言い訳、、、 というか、自分の言い分を述べている。 しばし言葉だけがその距離を置かれたままの状態で飛び交っていたが、分が悪いと判断したのか、その運転手はその場から逃げ去ってしまった!



 「 おいおい、そんなんでいいのか? 」



 そう思ったのは、その逃げた運転手のことでもあるが、それ以上にその現場にいた警察官たちだ。 警察の目の前で事故を起こしておいて、その後の口論をしてから逃げる加害者も見た事も聞いた事も無かったが、それを目の前で逃げられて、更に追わない警察官なんて存在して良いのか? というか、この目の前にそんな警察官が存在しているのだから驚きだ。 まったく、、、





 本当にすることのないロメの街。 歩いていて特に楽しい事はない。 街並が綺麗なわけでもなく、海岸線が綺麗なわけでもなく、街が活気に満ちあふれているわけでもなく、、、

 無機質な感じのする建物がある場所を歩いていると、全世界共通の一般大衆娯楽施設である映画館を発見した。 この際、する事がほとんどないのだから、暇つぶしに映画でも観てみようと思い、何が上映されているのかを確認することにした。 結局は、そのほとんどがハリウッド映画であり、しかも少し前に上映されたものばかり。 あまり気持ちがそそられなかったが、一つ観てみたいのがあった。 それは、、、 ポルノ映画。

 正直に言って、今までそんなのを観た事はないのだが、ここロメで、現地人に混じって観てみるのも一興かと思い、、、

 まあ、そういう理由で観る事にした。 驚く事に入場料は、、、 150CFA(=約35円)だった。



 張り切って、言われた時間通りに参上し、まだ人気の少ない館内で待機していた。 果たして映画は定刻通りに上映された。 話の内容は単調で、すぐに「 情事 」が始まる。 まあ、こちらの人はあまりストーリーなど映画に求めていないから、というかこんな映画にストーリーも何もないのだから、それで良いかの様に思えた。

 上映開始されてすぐの頃は人が本当に少なかったが、しばらくすると次第に人の数が増えていくのが分かった。 館内の暗闇にも目が慣れてきていたので、一体どんな人が入っているのだろうと振り返って見ると、意外にも ビシッ と決めたビジネスマン風の人もいる。 それに、それなりの人の数になっていた。 面白かったのは、やはり皆恥ずかしいのか、それなりに距離を開けて座っていることだ。 そして、その眼差しは、、、 真剣そのもの?

 なんだかんだで、一時間以上は観ていたが、最終的に観ていて気持ち悪くなった。 そして、アホらしいような、虚しいような気分になった。 まあ、こんな体験をすることもあまりないのだから、そういう面では良かったのかもしれない、、、


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 別にロメだけでなく、今まで通って来た西アフリカの国のほとんどはそうだったが、街にはゴミが散乱している。 それが、まだ市場とか店の前とかだと、さすがに店主か従業員が掃除を少しはしているようなのでそこまで汚くはないのだが、それが街中や公園、下水溝、特に街外れなどは目を覆いたくなる程汚い。

 中でも目に付くのはビニール製の袋だ。 というのも、こちらでは何か少しの買い物をしただけで、すぐにビニール袋をくれる。 たった一つ買い物をしただけで、ビニール袋をくれるくらいなのだから、その消費量は凄まじい。 国によっては、買い物にわざわざ自前の袋を持って行く人もいるし、以前訪れた先進国ではビニール袋の変わりに、何度でも使えるような買い物袋が安価で売られていて、人々はそれを利用していた。 そう、自然と資源に配慮して、、、

 それがどうだろう、この辺りではそんなことは考えているわけはない。 その場にいて、人を見ていると実感するが、ここの人々は自分たちで自分たちの住む場所を汚しているのだ。 そんな馬鹿な話があっては困るのだが、それは本当のことなのだ。 歩きながらゴミを捨てるのはもちろんのこと、酷い場合はバスの車内にあるゴミを、わざわざ窓を開けて外に捨てるのだっ! そして、人々の母なる大地はこうやって汚れていくのだった、、、





 宿の近くでまだ幼い子供たちに出会った。 まだ5つにも満たない子供たちの集団だ。 皆総じて鼻水を垂らしている。 それが栄養出超のせいなのか、アフリカの子供たちの中には、鼻を垂らしている子供が多い。 しかも、拭わない。

 そんな子供たちを見ていると、いつも気付かされるのは、そういったみすぼらしい容姿だけでなく、その透き通った瞳であり、無邪気な笑顔だ。 如何に薄汚れた恰好をしていようとも、子供たちのピュアな心は変わらないようだ。 それだけは何だか有り難く感じてしまう。 僕ら大人たちがそう願っても、がんばってみても、彼らのような美しい瞳を持つ事は出来ないのだ。 いや、出来ないわけではなく、ただ至極難しいのだ。

 しかし、やんぬるかな。 やるせないのは彼らの境遇だ。 彼らの親は、廃墟のような建物に勝手に居座り、生活をしている。 明らかに彼らの所有物ではない建物の中で、共同生活をしていて、その子供たちが、僕が宿の近くで出会った無邪気な子供たちなのだ。 もちろんこの幼い子供たちが、自分たちがどういった環境で、ましてや自分自身がどういった親と生きているのかなんてまだ理解出来る筈がない。 彼らが彼らの生きる環境に気付くのはまだもう少し先のこと。

 そして、それを知った頃には、あの輝いていた瞳も、移ろいでしまうのかもしれない、、、 そう思うと、何とも言えない気持ちになってしまう。



 その廃墟を通る度に、あの子らは無心に僕に手を振ってくる。 いつ見ても、彼らは無邪気であり、笑顔があり、その瞳は輝いている。 僕は手を振り返すも、自分の心のどこか晴れない気持ちがあるのに気付いていた、、、



 トーゴという国の首都であるかつて「 西アフリカの真珠 」と呼ばれたロメは、そんな街だ。






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by hitoshi280477 | 2006-03-07 15:51 | Togo