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New Zealand 「 ニュージーランド@オセアニア 」


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by hitoshi280477 | 2007-11-25 05:22 | New Zealand

New Zealand vol.10 「 ニュージーランドの風景  」

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 この国は少し変わっていると思っていた。

 その国土、その自然、その歴史、そして人々、、、

 調べてみると、やはりそこには他の国とは違う何かがあった。



 今より一億三千年前、超大陸ゴンドワナが別れ始めた時がこの特異な国土の歴史の始まりだ。

 海底の大陸棚が衝突することによって産まれたのが前身で、その後、幾つかの火山活動により今日僕らが目にするような国の形が出来た。 それが、一万年前の話だそうだ。 信じられないような話だが、この国はオーストラリア・プレートと、太平洋プレートが衝突した事によって出来た島であり、それは今日でも変わらないのだ。

 本当の所は、オーストラリア・プレートの上に太平洋プレートが乗っかっているような形なのだが、その時の衝突と更なるプレート同士の押し合いで産まれたのが、南島に650Kmに渡ってそびえる南アルプスだ。 現に、ミルフォードサウンドなどでは、今でのその衝突した部分を目にする事が出来るし、その付近の景観はなかなか険しいものとなっている。


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 一方、北島では、火山の活動によって島の形が出来上がっていき、その経過で地震もかなり頻繁に起っており、それは今でも変わらない。

 火山の活動は地下から沸き上がる温水にも見ることが出来るし、地震は微力ながらかなりの回数を観測しているそうだ。

 北島を縦断するように火山が存在していることや、度重なる地震は人々の心に不安を植え付けている事だろう。



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 こういった特異な環境が産み出す自然も、またかなり特異なものとなっているのも事実だ。

 この地理的条件のお陰で、この国には火山、雪山、氷河、雨林、砂丘などなどが存在し、それが今日では人々の注目を集めている。

 また海底にあったプレートが隆起したことや、火山が噴火して出来た国土は肥沃なので、それが様々な植物を産み、そしてオーストラリアから約1000Km離れている事、南太平洋の島々に近い事、それに南極にも近い事などが世界でも稀な動物に出会える要因となっている。

 何とも自然の恵みを存分に頂いた国土ではある。



 しかし、NZの運命も人類の入植によって少し変わってしまったようだ。

 1200年頃、南太平洋の島々より渡って来た人々「 マオリ 」によってまずは大型動物の捕食が始まった。 特に、アザラシやモア(体長3.5mはあったと推定される大きなダチョウのような鳥)などはマオリの人々にとって絶好のタンパク源となり、かなりのハイペースでこの世から姿を消してしまっていったそうだ。 ちなみに、マオリの人々は言葉を書き残す習慣もなかたっが、お酒や怪しい薬草みたいなものは口にしなかったそうだ。



 その後のNZの歴史は、欧米人の入植によって更に変わっていく。

 1642年に、オランダからやって来たエーベル・タスマン率いる船隊な、マオリの人々の「 儀式 」を取り違えた為に4名を殺されてしまうという失態を味わったが、その後の1769年にやって来たかの有名なクック船長率いる英国とフランスはうまいことマオリの人々と交流し、それからは捕鯨や布教活動というのを踏まえて、1840年に正式に英国植民地になった。 何故英国の植民地になったのかは、解せない話なのだが、ここで問題になったのは、英国側が提示した「 Treaty of Waitangi ワイタンギ条約 」だ。

 まあ、英国側が勝手な事をうたって作り上げた条約なのは間違いなく、それがその後の何年間か、北島と南島でマオリの人々と英国人の戦争になったのは用意に納得出来る話だ。



 NZは19世紀は内戦、20世紀は国外派兵という形で戦争をかなりしている。 特に、ユニオン・ジャックには何か引け目でも感じていたのだろうか、第一次・二次世界大戦のみならず、ボーア戦争にまで派兵していて、かなりの数の犠牲があったと記録されている。

 しかしながら、女性に参政権が認められた最初の国である事や、年金制度などの社会保障制度や、世界で一番会社を起こし易い環境などと革新的な面も多々ある。 ある部分では、主たる宗主国である英国を凌ぐ程であったとも言われている。



 と、その国土の成り立ちとはほど遠い、まだ短い歴史なのである。


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 NZ滞在の最後の街、オークランドは今では人口120万人を数えるNZで一番大きな都市であり、その数は南島の全人口を越えるほどではある。

 そして、街を歩けば瞬時に察する事が出来る様に、正に国際都市なのだ。 その証拠に、ここではなんと約120の言語が話されているというから驚きだ。 街の姿はNZの他のどの街とも違っていて、その景観は正に都市よ呼ぶに相応しい。 ただ、何故こんなに坂道の多い街が栄えたのかは疑問だが?

 この街では南太平洋の島々の人々や、東洋人、欧米人、アフリカ人、、、 実に様々な人種を目にする事が出来る。 初めてマオリの人々がこの国にやって来てからは、約800年。 欧米人が本格的に入植し出してからは、約150年程しかたっていない国には見えない街ではある。



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 しかし、この国にやって来た人々や、その子孫たちはこの数奇な運命にあるNZを大事に思っているのは間違いなく、それは人々の意識の中によく見られ、この国そのものといっても過言ではないと思う。 独立心は旺盛だし、学業にもよく励み、環境にもよく配慮し、家族や友達を大事にし、中立国の立場をとってるし、反核派だし、、、 それに、よく旅行をするしっ!!



 特に、この国の人々は自分たちが世界でもかなり特異で、かつ限られた環境下に生きているのを自覚しているというのが僕の目にはよく写った。 というのも、例えば、ゴミを一つ捨てるのにも、「 それが再利用=リサイクル可能なのかどうか? 」とか、「 スーパーでは100円程で買える使い捨てではない買い物袋を奨励してたり、、、 」とか、「 YHではそのゴミが土に還るのにどの位の期間が必要なのか? 」とかなどなど。

 それに、地球温暖化の影響をもちろん懸念しているので、「 もし気温が今より2~3℃上がったらNZはどうなるのか? 」などというポスターが、具体的なデータや海面が上昇した場合の地図などで作成されていて、これもYHなどでは目にする事が出来る。

 そう言えば、入国審査の時からして、環境に配慮しているという事が感じられる細かい質問がたくさんあった。 島国ならではの厳しい審査だが、同じ島国から来ている僕にとってそれは驚く程ではあった、、、 それは、「 果たして我が国、日本はどうしているのだろうか? 」などと、ふと思わずにはいられない程なのだ。

 しかし、統計によると、NZの人々は、アメリカの人々よりも、一人当たり平均の一般的なゴミの排出量が多いそうだ。 あのアメリカ人より多いというのは、正直驚きだ、、、 人口という面から考えれば、それは大した量にはならないが、国土が非常に限られている為に、これは今後真剣に検討していかなくてはならない問題だと、外国人である僕でさえそう思ってしまう。


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 僕が見たニュージーランドの風景は、それは素晴らしいものだった。

 特異な環境が創造してきた生態系は、もちろん僕の想像以上で、今まで僕の中に存在していなかった地理学や環境学への関心を芽生えさせるのには充分すぎる程だった。 



 これからのこの国の命運も、この国に生きる様々な人々にかかっているのは、言うまでもなく明白な事実だ。 今までがそうであったように、これからもまたそうなのである。 まだ新しい国であり、様々な人種を抱える国であり、素晴らしい自然を持つ国なのである。

 僕としては、この国の素晴らしさや現実を垣間見た者として、そういった面をもっと人々が理解して、協力されていくことを願って止まないのだ。

 それは、その素晴らしさを目にした者にしか分からない事ではあるかもしれないが、またいつかNZを訪れる日が来ても、今日僕が目にしたあの素晴らしい風景を再び目にする事が出来る事を強く願う、、、

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by hitoshi280477 | 2005-10-19 05:25 | New Zealand

New Zealand vol.9 「 羊・羊・羊!!  」

 ニュージーランドと聞いて最初に想定するのが「 羊 」というのはきっと僕だけではない事だろう。 それもその筈、この国では人口が約395万人なのに対して、羊の数はその10倍の約3920万頭いると言われているくらいなのだっ!!

 街を出て、少し郊外を走れば羊を目にしない事はない。 本当にたくさんの羊が存在している。 そのほとんどが放牧されているのだが、きっとその羊たちもこの緑が多くて大きな大地を有り難く思っていることだろう。 どこにでも牧草が生えているのだから、羊にとっても天国のような土地であると思われる。

 しかし、そんな羊たちも元々ここに住んでいた動物でないのは間違いない。 ニュージーランドに入植してきた人々によって連れてこられた外国人なのである。 現在でこそ、その数はかなり大きいが、始めのうちはまだ数も少なく、慣れない環境に羊一世たちもきっと大変だったことだろう、、、

 こんなにたくさんの羊たちを見るのは、、、 正直初めてではない。 他に世界中の何処で見れるのかと言えば、もちろん羊毛業の盛んなオーストラリアやヨーロッパの数カ国、アルゼンチンもそうだし、アフガニスタンやシルクロード沿いの街といったイスラム圏などではよく目にする機会があった。 ただ、ここニュージーランドやお隣オーストラリアのように、その羊さんたちを使ってのショーなどというのは、あんまり聞かないのである、、、



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 「 Agrodome アグロドーム 」という場所が、ロトルアの街にはある。 市内からバスで行く事、約20分。

 いかにも牧場を思わせる敷地の中では、ここを訪れる観光客向けに羊のショー、すなわち「 Sheep Show 」を行っているのである。 羊のことをもっと知りたい人にはうってつけの場所なのである。

 もちろん他の街でも同じようなことを体験出来るのだが、何故だか僕はここでその羊ショーを見る事に決めていたのだった、、、



 一日三度あるというその羊ショーは、かなり観光客には好評のようで、二番目のショーを観に行った時、一番目のショーの観光客が雪崩のように出口から出てくるのを目にして驚いた。 そして、二番目のショーの時もかなりの数の客入りがあったのにも更に驚いた。 もっとも、そのほとんどが団体で大型バスに乗って来ている年配の方が多い。 僕のように若い男が一人で来ているのはちょっと変な感じがした。

 ショーは約一時間に渡って行われる。

 軽快なテンポで進行を努める若い兄ちゃんは、羊のことはもちろんだが、随所に細かい芸が見られ、我々観客をかなり楽しませてくれた。

 説明によると、ここには19種類の羊が、世界各地から連れてこられているそうだ。 ヨーロッパと南米のものが多いとのことで、皆「 外国人 」ということになる。 それぞれの羊は、その毛の質からランク分けされていて、その一番はメリノ種という羊らしい。 なんでも、毛の長さとか質とかで決めるらしいのだが、当の羊本人はそんなのはきっと知る由もないのだろう。



 19種類の羊たちは呼ばれた順番に、表彰台のような所に駆け足でやって来るのだ。 「 よく調教されているものだ、、、 」と、皆が感心して見ていると、どうやらそこに餌が用意されていて、羊たちは皆それにがっついて来るだけの話なのである。

 皆腹を空かしているのだろう、猛ダッシュで来るのは良いのだが、中には自分の餌に辿り着く前に、人の餌を食べる羊や、自分の食べ終わると人のを食べようとする食いしんぼうな羊もいる。 そして、中には順番を待てずに、塀を飛び越えてやってくる羊もいる程なのだっ!

 その様子と羊と兄ちゃんのやり取りを見ている観客たちからの笑い声は絶える事がなかった。 お陰で、こちらも笑い過ぎて、ほとんどの説明を忘れてしまったくらいなのだから、、、


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 そして、一頭の羊の毛が刈られる様子のデモンストレーションや、番犬が登場して何かしらのパフォーマンスを披露したり、生後2週間くらいの子羊たちが出て来てミルクを観客が与えることも出来る。

 何にしても観客には楽しめることがあったり、学べることがあったりと良い事尽くしの羊ショーではある。 特に羊の毛を刈るということは、とても興味深いものだった。 実際、5分足らずで羊一頭の毛を全部刈ってしまうのだ。

 まるで示し合わせていたかのように羊は暴れるので、もちろんそこには熟練の技が必要になる。 毛を刈る時にどう押さえ込むかとか、皮膚や腱を切らないようにするにはどうしたら良いかとか。 笑えたのは羊にも「 ツボ 」があるらしく、とある部分を押すとシャキッと手が伸びたり、足がピーッンと伸びたりするのである。 その様子は、正に「 あやつり羊 」?



 きっと「 羊を見せ物にするなんて、、、 」と思う人もいることだろう。 けれど、ここまで羊のことを見れる所、また見せてくれる所も学べる所もないと思う。

 それを考えれば、このショー自体は決してそういうネガティブなイメージを持つものではないと思う。 それどころか、あのやる気のなさそうな羊たちが、人間様の前で「 羊様 」になれる絶好の機会なのである。

 もしかしたら、あのすっとボケた顔の裏で、ほくそ笑んでいるのは彼らなのかもしれないが、、、






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by hitoshi280477 | 2005-10-18 05:23 | New Zealand

New Zealand vol.8 「 Maoritanga マオリの文化  」

a0086274_19123380.jpg 千年以上前にNZに渡ってきた民族がいる。 タヒチやクック諸島から渡ってきたとされるポリネシアの民族、「 マオリ 」だ。 彼らが初めてこの地を踏んだのは、未だ正確な年代は分かっていないものの、彼らが南太平洋に広がる島々から渡ってきた事だけは間違いないようだ。 それは、今日ここNZに生きるマオリの人々の顔つきを見たら誰でも頷けるくらいだ。

 文字で物事のやり取りや、歴史を残してこなかった為に、彼らのNZ入植初期の頃の話はよく解明されていない。 けれども、彼らの祖先が当時のNZで Moa やアシカなどを食料として狩猟し、その恩恵に預かっていたのは本当のようだ。 この土地自体に対しては、マオリ独特の創造神話のようなものがあるし、 彼らの中にも他の南太平洋の島々のようにある種のアミニズムのような、特殊な信仰や価値観がある。 文字で物事を書き残してこなかったとはいえ、歌の中に歴史や伝統などは盛り込まれているそうだ。 そういう所に、文化の違いは既にある。

 マオリの人々は好戦的で、実際領土争いから生じた戦争をよくしたそうだが、その反面、家屋や身につける装飾品などには細かく気をつかっていたらしく、その名残が今日ではマオリの文化の一端としてよく目にする事が出来る。 特に、石や木などを削って作り上げものには、そのデザインのユニークさから、異文化から来た人々にも高い評価を受けているようだ。 それに、話に聞くと男尊社会ではあったそうだが、それは女性を守るという配慮から来ているようだ。



 今日、NZの全土に散らばるマオリの人々は、今まで他の国の先住民たちが味わった苦労を同じような気持ちで経験した部分があったが、この国の一員としてかなり社会に溶け込んでいる様に僕には思えた。 しかし、文明社会に染まりつつある面もあるが、その一方で自分たちの独自の文化を誇りに思い、それを世間に知ってもらう為の場がNZの至る所にある。 僕はそのマオリの文化を少しでも知ろうと思って、ロトルアという街にある「 TAMAKI タマキ 」というマオリの文化村が主催するツアーに参加する事にした、、、







 「 Te Wero 入村の儀式 」

a0086274_19124074.jpg まずは入村の儀式から始まるのだが、これはマオリの村を訪れる儀式や礼儀の中で、最も重要な部分でもある。 というのも、村の入り口からは、まず最初に手に槍を持った戦士が大声を挙げて、相手を飲み込むくらいの勢いで登場して来るのだ。

 これは見せ物のパフォーマンスではなく、本当にそういう儀式をマオリの人々はずっとしてきたのだそうだ。 村の入り口では、この戦士たちを見守るかの様に、村民たちが総出で現れ、そして何かしら歌のようなものをずっと口ずさんでいる、、、 そして、その戦士の一人が差し出した Teka 友好を示す物を、こちら側の酋長が収めると、やっと入村出来る事となる。

 ちなみに、これを失礼な振る舞いや、拾って投げつけたりすると、その場で戦闘が始まるそうだ。 要は、村に来た者が、敵なのか、味方なのかを判別する儀式なのだ。



 「 Marae  村のような所 」

a0086274_19125988.jpg 入村許可が降りると、客人たちは村の入り口をくぐって中へと入る事が出来る。

 鬱蒼とした森の中に、当時の生活の様子が再現されていて、背の低い家屋の前で、それぞれが歌を歌ったり、踊ったり、ポイと呼ばれる紐の先に丸いボールのついた物を振り回したりしている。

 中には、更なる戦士の踊りを披露したりもしてくれているが、その最中にマオリの人々の独特の挨拶?である舌をぐっと出したりしてくれるのである。



 「 Haka マオリの踊り 」

 ある程度の時間を、村の様子を見て過ごすと、今度は更に奥にある大きな家へと招待される。 集会所のような感じの所ではあるが、ここでマオリ独特の歌と、踊りと、スピーチと、そして歌と、踊りと、スピーチと、更に歌と、踊りと、スピーチと、、、 が続くのである。

 その中でも目を引くのが、戦士の踊りである「 Haka ハカ 」だ。 今ではどのような形の踊りも一括りにして、そう呼ばれているそうだが、本当は戦士が戦いの前や、客や敵かを判断する時に踊ったものであるそうだ。

 この踊りは、、、 なんと言っても迫力があるっ!!



 「 Hangi マオリの伝統料理 」

 土を深く掘り、その一番したに熱く熱した石を敷き、その上に肉や野菜の入ったカゴなどを順番に載せていき、濡れた布で覆い、最後に土を盛って蒸し焼きにするのがマオリの伝統的な料理の仕方だ。

 それが、参加客たちは夕食に食べる事が出来るようになっている。 とはいえ、今では手に入らない食材も多いというのが事実。 実際、今でも食べられるのは、野菜くらいのことだろう。 ただ、食べてみるとかなり美味しい。



 「 Hongi  マオリ式挨拶 」

 鼻と鼻を合わせる事で、友好を表すというかなり独特な挨拶の仕方ではある。 実際は、入村の時に、こちらの代表である酋長行っていたのだが、僕らを送迎してくれた人が、わざわざ一人一人にこのホンギで別れの挨拶をしてくれたのだ。 少し照れ臭く、初めての人にはやりにくい挨拶ではあるが、こちらを最後まで持て成そうという気持ちが感じられたのは本当だ。





 僕が感じたマオリの人々は、、、 ハッキリ言って、見た目はむっちゃ怖い。

 街で会ったら少し避けて歩いてしまいたいぐらいに怖い。

 何せ顔にはがっちり入れ墨が入っている男の人もいるし、女の人もいる。 それに、戦闘民族なのだからだろうか、体がやけにゴツい人が多い。 元々、南太平洋の島々から渡ってきているのだから、それは分かる話なのだが、実際目にして見ると、その体の大きさに圧倒されてしまう。

 それに、昔は負かした敵は、奴隷になるか、食料になるかといった文化を持つ人々なのであるっ! 何でも、負けた相手に食べられてしまうのは、最大の屈辱なのだそうだ、、、 って、もう死後の話なんですけどっ!?



 けれど、家屋や装飾品に見られる細かいデザインや、家族や村といった単位で生きてきた事から仲間には優しく、また話を聞いても、話をする様子を眺めていても、何だか気の良さそうな人々ではある。 彼らの笑った顔に、そういった一面が見える。


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 今日の世界では、未だに民族争いや差別が酷い所も数多くある中で、このマオリの人々に限っては「 うまくやってるのかも? 」とそう感じた。

 これは、僕の先入観が間違っていただけの話なのだが、特に何ら根拠はないが、マオリの人々がほぼ白人が作り上げてきたであろうと僕が勝手に思っていたNZの歴史に、深く関わっているのは間違いないし、これからもそうであると思われる。

 普通に西洋風の学生服を着て、白人だけでなく、他の人種に混じって学校に登校する子供たちの様子を見ていると、そんな気がしてならないし、そうであって欲しいと思う。






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by hitoshi280477 | 2005-10-18 05:16 | New Zealand

New Zealand vol.7 「 Heading for the North 」

a0086274_1995188.jpg 朝の6時に鉄道会社の Pick-Up サービスがある為に、朝食やら荷物やらの準備を含めて5時起きで一日は始まった。 乗る列車は「 Tranz Coastal Train トランス・コースタル鉄道 」。

 ついこの前、東側のクライストチャーチから西側にあるグレイマウスまで乗った時と同じ観光列車なのだが、今度はクライストチャーチ発ピクトン行きなのだ。

 何がどう違うのかというと、今度は西海岸を北上していき、その際にやはり景色が楽しめるとあって、バスでも行けるこのルートをわざわざ列車にしたのだった。 それにしても、やはり朝のクライストチャーチはまだ冷えていた、、、



 この前の路線よりも人気が少し衰える為、車両の数も3分の2くらいになっている。 というのも、このクライストチャーチより以北を旅行する人の数はかなり少ないのだ。

 北島に向かう人の中でも、「 安いから、、、 」という理由でそうする人もいるようだが、僕はなるだけ陸路で移動したいので、この列車に乗る事にした。

 まあ、正直言えば、南島と北島を船で渡るという事に対して、何故かロマンを感じただけのことだったのだが、、、





a0086274_1995721.jpg それにしても、この列車はよく揺れるのである。 もっとも、5時間くらいで300Kmを越える距離を移動するのだから速度を上げて走っているのは分かる話なのだが、それでもやはりよく揺れるのである。 この前のように「 オープンデッキ 」が設けられているので、早速行ってみるものの、、、 やはり風が強く、冷たく、また揺れるのである。

 特に写真を撮る時はもう大変だ。

 どんなに踏ん張っても、この列車の揺れではなかなか思うようには写真は撮れない。 この前は山間を行ったのだから、今回よりはもっと寒かったし、観光客も多かったので、それこそ大変だった。 しかし、人が少なかろうがなんだろうがこの揺れの中、写真を撮るのは本当に一苦労だ。

 更に、少しでも風景を写真に収めようとする為に、デッキから外に向かって出来る限りカメラを突き出すのだが、そうすることによってカメラとそれを支える手は強烈な風に負けそうになってしまうのである。

 一緒に写真を撮りに行った英国紳士とやらも、後ろから見ると甚だ情けない格好になってしまうのだった、、、



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 それにしても目に入る綺麗な景色は、言葉で表現するに窮する。

 目の前の緑の多い大地の向こうには、雪を抱いた南アルプスの山々が見える。 空は青く、雲は白いのである。 走る列車の中から景色を観るということは、少なからず雰囲気を盛り上げてはいるのだが、それにしてもその景色の綺麗なことといったら、、、 何だか昔観た夢の中のようではある。

 たまに羊を見かけたり、たまに民家を見かけたり、、、 そんな景色がしばらく続いて行く。



 ところで、今回の路線が前回と一番違う点は、海岸線を行く事なのだ。 しばらく走った後、今度は進行方向右側に海岸線が現れる。 海なのだ。 南太平洋の海なのだっ!

 天気も良かったことから、波打ち際の海の色は薄いエメラルドグリーンのようになっていた。 特に波も高くはないし、日曜日なのに人出は少ないようだった。 きっと地元の人にとっても、まだ寒いのだろう。 たまに見かけるのは、子連れの親子や、犬を連れいている老人が浜辺を走っていたりするくらいだった。



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 小さいながらも湾になっている所では、驚く事に海面に空や雲が写っているのを見かけた。

 水溜まりでもなく、湖でもない、海面での話だ。 名前は知らないが、細長い海藻がその不思議な光景を造り出しているようだった。 驚く程に長いその海藻は、海面でも長く伸びていて、それがどうにかして波を遮っているようなのである。 その為、波が浜辺まで届かない場所がいくつか存在しているのだ。 いくら弱いとはいえ、相手は波なのだ。 それなのに、その海藻のお陰で海面はまるで池に張った水のように静かな面持ちを崩していなかった、、、



 時折見かけるオットセイかアシカは、岩場で日向ボッコか昼寝をしていた。 日曜の昼頃とあって、まるで「 日曜日のお父さん 」を思わせるその光景は、可愛くてしかたなかった。

 海岸線を走っている時に、ふとその先を見上げれば、なんと南アルプスの雪山が、海岸線と同時に見えるのだ。 そんな光景を今まで見た事なかったので、僕は必死で写真を撮りまくったのだった。 しかし、その頃、列車はトンネルをいくつを抜けて行っている時だったし、海岸線の線路はカーブがキツかったのでなかなか思うようには写真は撮れないのだった、、、



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 ほぼ予定通りに列車は「 ピクトン 」の駅に着いた。 僕の乗ってきた列車にとってはここが終着駅なのだが、これから乗る船にとっては出発点だ。 それは北島から来た旅行者にも言えることでもある。

 うまい具合にスケジュールが組まれているので、今朝船に乗って北島を出発した人たちはこれから列車に乗って南島の更に南を目指し、今朝列車に乗って南島を北上してきた人たちはその船に乗って北島を目指すのである。

 そんなわけで、預けてある荷物は勝手に列車から船へと運ばれて行き、船のチェックインはYHで手配してもらった時にプリントアウトしてもらった用紙一枚で済んでしまうのである。 いつぞや乗ったバングラディッシュの船や、エジプトの船とは明らかな違いがあった、、、



a0086274_19111074.jpg 船が南島を離れて行く、、、

 二週間程の短く、また忙しい滞在ではあったが、非常に興味深く、有意義な南島の旅ではあった。 そんな事を思うと、少し切ない気持ちにもなったが、旅とはえてしてそういうものであることは、もう充分理解していた。 ただ、船に乗り、今までいた土地を目にしながら離れて行くというシチュエーションが、そういう気持ちを更に強くさせているのだろうと思った。



 南島と北島を隔てているこのクック海峡を渡るには、時間にしてたった3時間だった。






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by hitoshi280477 | 2005-10-17 05:15 | New Zealand

New Zealand vol.6 「 Flora and Fauna 」

 NZの植物と動物に関してだが、これもまたこの国の国土の成り立ちや環境が大いに貢献していて、その特異な環境から他では目にする事の出来ない固有種も豊富なのだそうだ。



「 Flora 」 植物

a0086274_20154468.jpg 話によると、NZに現存する植物のうち約80-90%は固有種だとか? しかし、実際の%のことは置いといて、驚かされるのはその緑の豊富なことだ。 特に、フィヨルド・ランド国立公園などでは、果てしなく続く芝生や密度の濃いブナの木のジャングルなどがあったり、その他の地域では、いろんな種類の花を目にする事が出来る。

 ただ、欧米人の入植に伴い持ち込まれた外来種の植物が多い事も事実だ。 場所によっては、たくさんの種類の植物を見る事が出来るが、それらのほとんどがイギリスや他のヨーロッパ諸国、アメリカなどから来ているなどと言う場合もある。 特に繁殖力の強い植物は厄介だ。 NZのほぼ全域で目にする黄色い花をつけた植物、「 Gorse ハリエニシダ 」などがその良い例だ。

a0086274_20155113.jpg 初め「 緑の中に点在する黄色も良いもんだ、、、 」などと思っていたが、後でこちらの人に話を聞くと、それはどうやらとんでもない外来種らしく、遠くイギリスから持ち込まれたが、その繁殖力のお陰で今では本当にNZの全域に広がってしまっているとのこと。 こちらの人にとっては、ひどく景観を損ねているので何とかしたいらしいのだが、、、

 自然の力に人間の力はなかなか及ばないものである。 今では、この植物を取り除くのはきっと不可能だ。 そして、実際は僕にもこのハリエニシダは厄介者だった。 というのも、僕はロンドンで味わって以来の花粉症になってしまったのだった、、、



 そういった植物に問題を引き起こしている輩がいる。 オーストラリアからやって来たとされる「 Possum イタチの仲間 」だ。

 こやつらは何かの間違いでこの国に侵入してしまったのだが、今ではその数約7000万匹! そして、彼らは木々の葉を食べたりして土壌を荒らしてしまうので、特に農家の人には甚大なる被害が及んでいるらしい。 彼らの食べる葉の量は年間何百万トンにも及ぶのだから、これは大きな問題だ。



 それでも、NZにはまだ緑豊かな大地が広がっている。 緑は目に良いと聞いているが、きっと人間の心にも良い事だろうなどと思ってしまう感じだ。





「 Fauna 」 動物

 これもまたNZの独特な国土の成り立ちに感謝をしなくてはならないことだろう。 というのも、ここには様々な動物が住んでいて、尚かつそのうちの多くがNZの固有種なのだから、、、



 ・Kiwi  国のマスコットであるこの動物は、小さな鳥だ。 小さいとは言え、思ったよりも大きいというのが本当の所だ。 何だかひょうたんのような姿の鳥なのだが、この動物は夜行性で音に敏感なために写真に収める事は出来ないのだ。 それも捕食者より身を守る為に、そういう風に進化したのだそうだ。 変わっているのは、雌が子を腹んだ時に、その卵の重さが体重の25%にもなるのだとか? 人間の体重に換算したらエラい事だ。 50Kgの女性が、10Kg強の赤ちゃんを産む事になるのだから、、、 そして、卵を産み落とした後は、雄が80日間に渡って世話をするそうだ。

 ・Moa  かつてマオリの人々が、太平洋の島々から入植して来た当時にはまだ生息していたと言われる巨大なダチョウのような飛べない鳥。 体長が約3.5mもあったというのだから、相当大きい。 入植して来たマオリの人たちにとってはかなりのご馳走だったに違いない。 今では博物館以外では見れないのが残念な所だ。 出来る事なら、その背中に乗ってみたかったのに、、、

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 ・Tuatara  トカゲの仲間のようだが、この動物、なんと見えないが三つ目の目があるのだとか? 何でも鱗のような皮膚に隠れている為に、それを目にする事は出来ないが、、、 なんと不思議な動物だ。 この恐竜に限りなく近い爬虫類も、今では数がかなり少なくなってきてしまっている。

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 ・Yellow Eyed Penguin  この黄色い目をしたペンギン、世界18種類のペンギンの中でも一番数が少なく、これまたNZの固有種だ。 体長がかなり大きい割にはあまり社交的な性格ではないらしく、群れで行動や生活をしないで、パートナーがいないペンギンは一人ひっそりと暮らしている。 外来種による補色のお陰で、その数は激減してしまっていたとのこと。

 ・Blue Penguin  世界最小ペンギン。 なのに、水深約70mまで潜る事も出来るし、一日に約100Km近く泳ぐ事が出来るというから、かなりのやり手のペンギンだ。 実際、小さ過ぎてよく見えない、、、

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 ・Hooker Sealion  世界で5種類いるシーライオン(アシカ)の中では最も珍しく、NZの固有種だ。 マオリの人々の入植によりこれまら激減した動物の一つではある。 大人の雄は体重が400Kgにも及ぶ事も、、、

 ・NZ Fur Seal  二層からなる体毛を持つオットセイ。 ヨーロッパ人のハンターのせいで激減したが、現在ではその数が増える傾向にあるらしい。 かわいそうなのは、見た中の一匹の雌が、首にプラスチックのバンドが絡まったままの状態だったことだ。 一体何処でそうなったのかはわからないが、何ともかわいそうな姿だった。



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 その他にも、黒い鶴や、アメリカからやって来た「 Kea 」と呼ばれる鷹のような鳥、それに他のNZ天然の動物たちには天敵であるイタチなども多くなってきている。 特に、こういった害を及ぼす外来種には人々も頭を痛めているようだ。 大概こういった外来種というのは、繁殖力と生命力が強いから、それを取り除くのは困難な話だ。 しかも、効果的な方法もないのだから、、、




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 NZの自然は誠に素晴らしく、またその「 Flora and Fauna 」も非常に興味深いのだが、残念ながら人間が入植して以来、様々な外来種が持ち込まれてしまい、元々の姿は変わりつつあるのが現状のようだ。

 その為に、この国ではこういった自然環境をこれ以上破壊しないような活動や、自然環境を保護する活動が盛んな部分もある。 特に、環境庁の規模は大きいように見え、普段の生活の中や、国立公園などでは注意書きが多い。 得体の知れない観光客も多い事だろうから、その労力は計り知れない事だろう。



 けれど、この素晴らしい自然をこれからも保って行く為には、必要なことであるのは間違いない。

 この国の自然の素晴らしさに触れた事のある者ならば、その活動の意義や大切さ、それに僕の言いたい事がわかることだろう。

 自然というのは、人間では計算出来ない程の微妙なバランスによって成り立っているのだから、、、






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by hitoshi280477 | 2005-10-15 05:12 | New Zealand

New Zealand vol.5 「 Milfordsound  」

 ニージーランドの南島の西側に「 フィヨルドランド国立公園 」というのがある。 この国で一番大きな国立公園だ。 険しく起伏に富んだ地形や、密林と世界でも最も降水量の多い土地のうちの一つという条件が、この土地を特別な場所にしており、世界自然遺産として世界に認知されている。

 大昔の超多陸ゴンドワナで見られた動植物の中には、この地域で今も生息しているものがいるらしい、、、



 滞在していたクィーンズタウンの街からは、距離にして286Km。 途中、テ・アナウという街を経由して行く事になる。 一日ツアーに参加したとしても、丸一日バスに乗りっぱなしということになる。 それでも、この国の景色を代表する場所だけあって、ここを目指す旅行者の姿は後を絶たない。


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a0086274_1819635.jpg 背の高い木々に道路が覆われていることに気が付いたのは、もうフィヨルドランド国立公園に差し掛かった頃だった。

 道路の両端に、居並ぶ木々の姿は、木漏れ日も手伝って、何処か幻想的な景観を造り出してはいた。 見上げれば、その先端が見えない事もないのだが、仰け反る程見上げないとよく見えない程、その木々は背が高かった。

 聞けばこの背の高い木々は、ブナ科の「 Silver Beech 」という名で、ここの気候条件に適している事からこの地域の随所で目にする事が出来るのだそうだ。




a0086274_18185273.jpg 近くのちょっとしたブッシュウォークでは、まだ若いブナの木や、苔類に蔓、シダ類などの雨林地帯に多い植物を目にする事が出来る。

 ほんの30分くらいのウォークにも関わらず、その緑の世界を歩いていると、自然の素晴らしさに気付かない事はないし、何処か心洗われるような気持ちにならざるにはいられない。 今まで、そんなに感じた事はなかったが、誰か付けたか知らないが「 森林浴 」というのは非常に気持ちの良いものだ。

 薄い緑に一面を囲まれた場所に、一人歩いていると頭に浮かぶのは自然とそんなことのみだった。




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 ニュージーランドの国土は非常に変わっている。

 というのも、ここ南島の特にこのフィヨルドランドは、オーストラリア・プレートと太平洋プレートがぶつかっている境界付近に位置しているのだ。 なので、その辺りではこの2つのプレートが合流して高山断層を目にする事が出来る。

 二つの海底プレートが衝突・合流、そして太平洋プレートが隆起する事によってこの高山地帯、すなわち南アルプスを形成している。 その為、ここフィヨルドランドでは、オーストラリア側のタスマン海から吹き付ける湿り気の多い風と雲が、多量の雨を降らせ、そのお陰で緑豊かな大地が造られているのだ。 そして、それは山脈の高い所では、氷河となっているのである、、、

 実に変わっているのだ。



 そんな山間を走っていると、緑の多さに感激し、山脈のそそり立つ姿に驚くが、もっと目を引くのはその山間の険しさと、その山脈の遥か上の方から流れ出る「 滝 」だ。

 山脈の上に降り積もった雪や氷河が、夏に近付いている今の気温のお陰なのか、岩肌を滑るようにして流れ出ている。 そして、その滝は川となり、大地に吸収されるか、また再び海へと流れ出ているのである。

 そんなことがもう何万年も続いているのだ、、、




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 「 Milford Sound ミルフォード・サウンド 」

 このフィヨルドランド国立公園でも、一番の見所であるこの場所は、実の地理学上の正式名は「 フィヨルド 」なのだそうだ。 というのも、英語でいうところの「 サウンド 」は、この場合では川沿いの谷に海抜の上昇や地盤の陥没によって海水が入り込んで出来た入り江であり、一方「 フィヨルド 」は、氷河によって浸食された狭く勾配の険しい谷に、氷河の後退によって海水が入り込んで出来た入り江なのだそうだ。

 まあ、細かい言葉の定義は置いといて、何がどうなのかというと、この入り江では海面から一気にそそり立つ山の景観が楽しめるということなのだ。 中でも「 Mitre Peak マイター・ピーク 」と呼ばれる山は、海面からそそり立つ山としては1682mで、世界で一番高いとされている。




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 場所によっては、その入り江の幅が極端に狭くなっている所もあり、しばしば100ノット(=180Km)を越える突風が吹く場所もある。

 その場所を通る時は、本当に信じられないくらいの強い風は吹いていた。 まるで台風でも来たかのような感覚に襲われるが、ここではそれが日常なのだそうだ。 しかも、近くには氷河があるような場所なので、一度風が吹くとその体感温度は、、、 かなりキツい。

 この入り江が氷河によって削り取られていったという場所は、所々で目にする事が出来る。 もともと荒々しい顔つきをした岩山だが、氷河が進退することによって更に削られたとあってはその面持ちを更に荒々しくする、、、



 「 氷河が岩を削る? 」




a0086274_1821685.jpg ふと、そんな疑問が頭を過ったが、それが約200万年以上前から続いているとあっては、納得せざるを得ない。

 その長い期間では、地球の寒冷期や温暖期を何度か経験しているのだろうから、28年しか生きていない僕が頭で考えても無理な話であり、信じられないような話なのである。 ということは、僕は地球が生きているということの「 証 」を正に目の当たりにしたということになるのだった。




a0086274_18211656.jpg タスマン海からの湿った雲が、この山脈にぶつかり、それが雪を降らせ、そしてそれが継続的に続く事がこの山脈の上に氷河を形成している。

 とはいえ、氷河もやはり氷と水の循環を繰り返すので、それが地上に近い所では滝となって人々の目に触れることになる。 夏も近いせいからなのか、その滝の規模も小さくはない。

 年間降水量が6000mmという世界で最も雨が降る地域の一つというのは頷ける話なのだが、その量が他とは桁違いの為に、実際どれ程のものなのかは分かりづらいほどだ。



 この入り江を散策するには、まずクルーズ船が一番なのだが、やはり一大観光地の船とあっては何をするのか心得ているのである、、、

 近付けば、近付く程に大きい滝の水は、何処か神秘的な色をしていて、そのシャワーとも言わんばかりの水飛沫が船と乗客を飲み込んでくる、、、 ふと、振り返れば、その水飛沫と先程から出て来た太陽の光によって「 虹 」を造り出している。 ここに来るまではそれが見えないのだが、自然の不思議な一面をまた再び垣間見たような気がした。




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 クルーズも終盤に差し掛かり、もう船着き場が見えた頃、振り返ってみると雪を抱いた大きな岩山が見える。 その光景を見て、ふと思うのはやはり自然の神秘さと素晴らしさだ。

 ずっしりとして微動だにしなさそうなあの大きな山でさえも、何百万年という年月の前では成長してきたわけで、更にその山肌では肉眼では見る事の出来ない速度で氷河が産まれ、姿を変えて、また空へと戻っているのだ。

 実に不思議な地球の姿であるが、これがここの日常なのである。






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by hitoshi280477 | 2005-10-14 05:11 | New Zealand

New Zealand vol.4 「 氷河を歩く - Franz Josef Glacier 」

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 南島の西側に「 Franz Josef フランツ・ヨーゼフ 」という小さな街がある。 何でもこの街からは氷河を見に行く事が出来るし、なんと氷河に登る事も可能だとか、、、

 街にある氷河登山専門の会社に行くと、早速ブーツと防寒着、それにアイゼンのような鉄製のスパイクを渡され、バスに揺られること約20分、「  Franz Josef Glacier フランツ・ヨーゼフ氷河 」に到着。 参加を申し込んでから、約1時間足らずで実際に登る氷河まで来る事が出来る。 何とも手際の良い会社だ。

 まだ遠くの方に見える氷河も、実はかなり大きいらしく。 少し曇っているとはいえ、肉眼で見る事の出来る部分はまだ全体の3分の1くらいだとか? この地域は、南島の西側(=オーストラリア・プレート)と東側(=太平洋プレート)がぶつかった所なので、少し景観が変わっているとか。 そう言われれば、むき出しになっている岩山には無数の断層がよく見ることが出来る。 この土地、以前は遥か海底に位置していたとされ、それがまだ遥か昔の地殻変動の際にこの二つの大陸棚がぶつかって、、、 という長い話がある。





 今まで氷河の上を歩く事が出来るとは思っていなかったし、未だかつてそれが可能な場所にも行った事がなかった。 聞いた話では、パキスタンの北部の更に奥地では、個人旅行者が勝手に氷河の上を歩いたりしているらしいが、そこには行った事はなかった。 それに、そこで遭難しそうになった人も知っているし、実際道に迷って自分の衣服を燃やす事で暖をとって凌いだという人の話も聞いている、、、 そんな無茶なことは出来ない。

 氷河の上を歩くというのは、普段全く歩く事のない道を歩くわけで、それなりの準備がないと困るのと、それに予備知識だけでなく、氷河そのものの成り立ちとかも知りたかったので、この会社の「 氷河を歩こうツアー!(和訳) 」に参加することになったのだった。 それでも、実際にはかなりの危険が伴うとのことだが、、、



 そもそも、氷河とは一体何なのか? ガイドの説明によると、、、 「 氷河とは、冬に降り積もった雪の残り、すなわち夏に取り除かれる事の無かった山の高くて寒い部分にある残りの雪の事を指す 」らしい。

 それが、また冬になるとその上に新しい雪が降るつもるわけで、それが上積みの部分の雪の重さで、暖かくて溶け易い下部へと押し出されていくとのこと。 その降雪(増加)と、雪→水→蒸発(現象)のバランスが氷河の大きさを決める要因であり、それは場所によっても違うし、その年の気温と降雪量によって違うのだそうだ。



 ここの氷河は世界でも稀で、かなり低い所の位置しているのだとか?

 それはオーストラリアからやってくる湿り気の多い雲が、この南アルプスと呼ばれる部分にぶつかる事で、たくさんの雪が降る。 その為、通常の氷河よりも約10倍の速さで雪の循環は進むとの事。 その速さ一日に、約250cm、、、 とても速いのだ。

 なので、スタッフたちはこの氷河の登山道を維持する為に、常にその登山道を整備していなくてはいけないそうだ。



 この氷河の形も、異常なまでに速い雪の循環に一役買っている。 というのも、地上からでは見えない頂上部分には、かなり大きな盆地が存在していて、そこではかなりたくさんの降雪があるからなのだ。 そして、その溜まった雪は重力と自らの重みで、地表を滑るように下へと押し出されていくわけだが、、、 出口が狭くて一カ所しかないのである。

 その為に、出口が非常に混雑してしまうという訳である。 またそれが、海抜240mという世界でも他に類を見ない低い部分に、この氷河が存在しうる理由でもあるとのことだ。


a0086274_17533720.jpg さて、実際登る時間になった。

 近くで見る氷河は、さも威風堂々としていた。 あまりにも急に聳え立つ氷河の最初の登り口付近は、登山者を圧倒するには充分だ。 こんなに急な傾斜を僕は想像していなかったので、少し不安にもなったが、別に探検家でもなく、ここに足を踏み入れる第一人者でもないので、きっと大丈夫だろうと思う事に努めた。

 参加者が思いの外多く、総勢36名なのだが、法律でガイド一人につき13名までしかつれていけないとのことから、三つのグループに別れる事になった。 何故か参加者の少なかった「 体力に自信があって、ペースが一番速いグループ 」に僕は振り分けられた。

 参加者の中で、唯一の日本人だ。 張り切るのみ、、、



 さてさて、自信のない者がガイドと共に先に行き、自信のある者がしんがりを努めるとのことだが、、、 まあ、写真も取り易いので良しとしよう。



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a0086274_17542450.jpg 氷河登山は出だしからキツかった。 というのも、まずは慣れないブーツに鉄製のスパイクで、これまた慣れない氷河の階段を登るのだ。 しっかりとした氷河の階段をスタッフとガイドが用意してくれているとはいえ、鉄製のスパイクを付けたブーツで何十人もの人間が登るとあっては、まるでかき氷のようになってしまっている部分もある。

 それに、段によってはかなり高さがあり、僕の足ではほぼ限界に等しい高さの段もあった。 それよりも、何よりもこの氷河階段、、、 傾斜が急なのだっ!! 文句は言えないが、出だしからキツかったのは本当だ。 頼りない、、、 というか、頼りきってはいけない補助ロープを手に、足の力だけで登らなくてはいけない。


a0086274_1754334.jpg 少し高さのある部分まで登ってくると、傾斜はそこまでキツくなくなった。 自然の妙である。 さっきまで、「 登ったら、降りれるのだろうか? 」という疑問が頭を過る程のキツい傾斜だったのに、ここではツアー名の通りに氷河を歩いている感じになった。

 それでも油断は出来ない。 狭い氷河の道を歩かなくてはならないし、時には橋と呼ぶにはあまりにも頼りない梯子をかけただけの橋を渡ったり、たまに早い時間帯に出発したグループともすれ違う時もあったり、、、 そして、たまに足下がやけに心配な部分を歩かなくてはいけないからだ。

a0086274_17545226.jpg 更に高い位置まで来ると、それまで気が付かなかったが、かなり氷河が氷河らしく見えるポイントへと来ていた。

 何故なら、地上から見上げる氷河はあまりにも砂で黒くなっていて、氷河登山の序盤はそれどこではなかったからだ。 振り返ってみれば、この氷河を挟む谷の様子も良く見ることが出来る。

 氷河が溶けるのに充分な気温と、地表を滑るように進む氷河の下の部分が曲がることによって作り上げられる氷河の突出した部分や、大きく割れた部分は自然の「 オブジェ 」だ。

 鋭く突き出た氷河の末端部分は、日の光にさらされてとても綺麗に輝き、深い谷のように割れた氷河の大地の間は、とても神秘的な淡い青に染まっている。 



 氷河の真上を歩いているのだから、これほど間近で氷河を目にする事は他の場所ではちょっと出来ないだろう。 一応、自分の足である程度は登ってきたという事実が実感に変わり、それが「 感動 」に繋がるには充分な経験だった。

 何処かの探検家のように、別段すごいことをしたわけでないのは百も承知だが、やはり「 百聞よりも、一見よりも、一動なのだ。 」 今までの自分にとっての「 未知の世界 」に対して、それを自分で体験する事、それに勝る感動はないと改めて思った瞬間だった。




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 「 結構な運動になるから、ハーフパンツが一番だよっ!! 」という誰かの助言を鵜呑みにしたのは、僕ともう一人の女の子だけだった。

 実際、登っている最中はそこまで寒くはなかったが、降りる時のほうが慎重になる必要があるので、グループはゆっくり進まなくてはならない。 この時が一番寒いのだっ!! ガイドも何かの間違いが起きないように、慎重に慎重を重ねて進んでいく、、、



 故に、ほんのつい先程まで熱く込み上げていた感動も、すっかり冷めきってしまう、、、


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by hitoshi280477 | 2005-10-13 05:09 | New Zealand

New Zealand vol.3 「 Tranz Alpine Train 」

a0086274_17114199.jpg 「 Tranz Alpine Train トランス・アルパイン鉄道 」とは、ニュージーランドの南島の東の街クライストチャーチから、西のグレイマウスという街まで南島を横断する観光列車だ。

 全長213Kmのこの列車に朝乗れば、昼頃には島の反対側の街に到着する事が出来、尚かつその間は島の中央部の風景を楽しむ事が出来るとあって、どの階層の旅行者にも人気の乗り物だ。



 朝の7時45分に定刻通りに出発した列車は、まだ朝靄がかかる中を順調に進んでいった。

 街を出てまだしばらく経たないうちに、車内の窓から見える景色は一変した。 緑が多いのだ。

 それに、線路沿いには所々、柵に囲われた土地の中に牛たちや羊たちが草を食んでいる様子が伺える。 それもかなり近いので、まだ小さい子供サイズの羊が跳ねて遊んでいる様子も良く見てとれる。



 進んでいくうちに、車内アナウンスでどうのこうのと色々と説明をしてくれるのだが、景色に見入ってしまうとイマイチ理解出来ないのが残念な所だ。 オーストラリアをしばらく旅行したので、こちらの英語が少し耳に馴染んできてはいるが、それでもちゃんと聞こえないと理解出来ない、、、 まあ、しょうがない。


a0086274_17115452.jpg 列車はそれなりの車両を連結しているのだが、面白い事に、この長い列車を前後半分に分けているのだ。 つまり最前部から最後部までは歩き通すことが出来ない構造になっている。

 何故なのかと言えば、そこには観光列車ならではの面白い「 しかけ 」があるのだ。 その部分は「 オープンデッキ 」になっていて、そこから景色を楽しめるようになっている。 船のデッキに近い感じだが、ただ列車の速度はそれなりに速いので、そのオープンデッキから景色を眺めることは出来るものの、、、 写真を撮るのは至難の業だ。 朝の冷たい風が容赦なく襲いかかってくるのだっ!!

 そんな中、どの乗客も自分の思い通りにその景色を写真に収めようと四苦八苦している、、、

 その様子が笑える。



 とにもかくにも、冷たい風の前では何もする気にならないのが本音だ。 それは写真を撮るどころか、景色を楽しむどころか、一体何をしているのかわからなくなるほどだ。 そもそも、写真を撮るということを考えな変えれば、車内の大きな窓ガラス越しから景色は十二分に楽しめるのである。 なので、そのオープンデッキで悪戦苦闘しているのが馬鹿らしくなる。 



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 窓から見える景色は、平和を象徴するかのように穏やかな感じだ。 緑が多いのはもちろんなのだが、その緑も少し薄い緑の色なので目にも優しいし、ゆったりとした大地の造りもそうだし、よく目にする黄色い花もそうだし、、、 目にする全てがどこか心を落ち着かせる感じにさせられる。

 あまり人の手が入っていない部分だけに、全て自然の調和のみで成り立っている世界だと思うと神秘的に見えてならない。

 昔は鉄道がこんな所を走っていなかった訳で、今はその鉄道に乗る事でこういった自然の景観を楽しむ事が出来るようになっているし、また自然の素晴らしさを実感する事が出来たり、人によっては自然の事をもっと身近に考えるようになったりする良い機会にはなっていると思う。

 環境保護意識の強い国だけに、この列車が走る事によって害はあまりないのだろうと思うが、「 自然と人間の調和はうまくとれるものなのだろうか? 」と、ふと思う。



 まあ、短いながらも楽しい列車の旅だった。






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by hitoshi280477 | 2005-10-12 05:08 | New Zealand

New Zealand vol.2 「 the Garden City - クライストチャーチ 」

 気が付くと朝になっていた。 昨晩同じロビーで僕が目にした宿泊者たちは、深夜か早朝のフライトで飛び立ったのだろうか? 辺りには誰一人としていなかった。 外国の空港のロビーで一人で寝ている自分の姿を想像すすると、どこか恥ずかしい気持ちになり、可笑しさが込み上げてきた。



 インフォメーションで聞いた一番安く街中へ出る方法は路線バスだったので、時間も8時に差し掛かっていたことから、僕は街へ向かう事にした、、、 そして、一歩外に出て驚いた。 ものすごく寒いのだ。

 昨日の朝までケアンズにいたのだからそれもしょうがないのかもしれない。 距離にして約2500Kmは南半球の更に南に来ているのだから、、、 風が少しあるのもあったが、それよりも寒く感じさせたのは「 霧 」だった。

 それまでまだぼんやりとしていた僕の頭は突然しゃっきりとした。 安いんだか高いんだか分からないが、N$7で空港から街までいけるとの事だった、、、



 まだ半開きの目で見たクライストチャーチの街並は、綺麗な所だった。 まだ街の中心にも到達していなかったが、何だか僕は既に好感を抱いていた。 まっずぐ延びた道路にはゴミなんか落ちていなくて、家屋は軒並み建っているにも関わらず、土地の広さのせいかほとんどが平屋でゆったりとした構えだった。

 日曜日の朝早くということもあったが、街は静かで清楚な感じがしていた。 特に、公園のような、グランドのような広い場所を通りかかると、僕はその景色がバスの窓越しのものであったにも関わらず、目を奪われていた。 

 緑の多いその場所は、霧がまるで薄いベールのように掛かっていて、その光景はまるで映画のワンシーンのような、絵画のような、写真のような、、、 とにかく、僕にとっては目が覚める程綺麗な場所だった。 実際、目は覚めた。





a0086274_16572724.jpg クライストチャーチの街は、大聖堂を中心として成り立っているようだった。 実際、その大聖堂の周りには軒並みホテルやレストラン、カフェ、銀行、お土産物屋にネットカフェなどなど旅行者にとっては正に中心地だ。

 その夥しい数の商業スペースはかなり景観を損ねているが、とにもかくにもここが街の中心であり、地元の人々は「 Cathedoral 大聖堂 」とも呼ぶが、「 Square 広場 」とも呼んでいる場所なのだ。

 宿泊先は、この大聖堂からは少し離れているのでまだ良いが、街のある部分は洪水のように旅行者用の商業スペーズがある。 僕が朝目にした霧に霞んでいた優美な景観は一転して、興醒めしてしまっていた、、、



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a0086274_16581062.jpg 街を横たわるようにして流れているのが、「 River Avon 」。 川と呼ぶよりは、正に小川なのだが、この小川もクライストチャーチの街の歴史と共にある。 人々がこの街に住み始めた頃より、今日に至るまでここを流れている。 当時はその小川の流れを利用した水車などが活躍していたようだ。 それは今では手こぎの観光ボートやカヤックをする人々がよく目立つ。

 ただ、その小川沿いの芝生に座ったり、寝転んだりしてリラックスしている人々の姿は当時とあまり変わらないように思われた。 小川の流れる音と、芝生と木々の優しい黄緑色に、ガチョウたちの間抜けな会話鳴き声が、ここの人々の心をきっと和ましてくれている事だろう。




a0086274_16585565.jpg クライストチャーチの街で僕が一番行ったのが、「 Botanical Garden 植物園 」だ。

 宿から歩いて10秒、入場料は無料という理由はもちろんあるのだが、何よりもその大きな植物園の多様な植物を目にする事は楽しい事だった。

 たまには散歩がてらに植物を眺めるのもなかなか良いもので、実際それ以上にそれらを目にする事でどこか啓発される部分もあったと思う。

 ニュージーランドの固有種も多いが、ここでは他の地域から持ってこられた植物もある。 残念なのは、その種類の豊富さの割に、僕の植物に関する知識が限りなく乏しい事だった。

 目にするまでは楽しいのだが、、、




a0086274_16592443.jpg ここを訪れる人々には、もちろん観光客の数も多いが、それと同じくらいの地元の人々がいると思われる。

 散歩が日課の老婆も、赤ちゃんを連れた若い夫婦も、学校帰りに寄る学生も、ツンツン頭の友達同士で来る人々も多い。

 その中でも、まだ若い世代がこういった植物園に足を運ぶのはとても好ましい事だと思う。 自然を知る事や、敬う事、愛でる事で人々の心は優しくなれる傾向にあるからだ。

 都会の密林に住む人々の心がどんなに荒み易いことかを知っていれば、尚更そう思ってしまうのだ。




a0086274_16594718.jpg 実際、二度目、三度目と行く度に気付きだした事だが、そこには確固たる目的があった。

 好き勝手にやっているように思われる一人旅も、時として頭が痛くなる。 休暇を取って、短い時間の中で忙しく旅行している人にはわかならいことだし、ましてや旅行や「 旅 」をしない人には分かりづらい。 たまに憂鬱になる時や、今後の事で頭がいっぱいになり過ぎて、制御不能に陥る時、それと同じ頭の中に有り余る程のアイデアが浮かんだ時、、、 もう一つ頭が欲しいと思う時もある。

 そんな時、必要なのは、、、 「 浄化 」だ。



 一人緑の多い公園を歩く時、木漏れ日のシャワーを浴びる時、小川のせせらぎを耳にする時、鳥の鳴き声を聞く時、色とりどりの花々を目にする時、、、 人の心は浄化されることと思う。

 少なくとも僕はそうなようだ。 今までそんなことは感じた事はあっても、考えた事はなかった。

 そういった時間を少し過ごす事で、頭の中に制御不能なほど詰まったものや、心に溜まった様々なことを洗い出す事が出来る、、、 忙しない日常生活の中で、人生とは本当の意味でそれほど大事でない事を抱え込み、それから生じるストレスによって毒された人々は、こういった時間が必要な気がする。

 まあ、感化される人と、感化されない人がいると思うが、、、?



 クライストチャーチの街は、僕にとってはどこか心の落ち着く街だった。

 オーストラリアで三週間忙しく旅してきた後には最適の場所だった。

 それに、その国の印象を決めるニュージーランド最初の街としても、、、



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 この街を発つ時に思った事はと言えば、、、 「 子供のときと、老後には良いかも? 」だ。






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by hitoshi280477 | 2005-10-11 05:06 | New Zealand