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Equador 「 エクアドル@南米 」

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物事の見え方が変わった、、、 いろんな意味で。 @赤道直下。 

Equador エクアドル@南米

2004年11月の旅話。


  Equador vol.1 「 深夜着 」
  Equador vol.2 「 旧市街 」
  Equador vol.3 「 赤道直下? 」
  Equador vol.4 「 Las Islas Galapagos ガラパゴス諸島 」
  Equador vol.5 「 Bano? o Banos? 」
  Equador vol.6 「 列車でGO! 」
  Equador vol.7 「 大、大、大、大、大失態!! 」
  Equador vol.8 「 事故(自己)処理 」




注:「 Equador エクアドル@南米 」のほとんどの写真は、バックパック盗難の為、紛失してしまいました、、、 あ~ぁ(0_0;)


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by hitoshi280477 | 2008-02-03 20:05 | Equador

Equador vol.8 「 事故(自己)処理 」

 ペルー国境へと向かうバスの中にいた。

 順調に行けば夜中に国境を越え、翌朝にはペルー最初の街「 Piura (ピウラ) 」へと行く予定となっている。



 バスは静かで暗い道を順調に進んでいるようだった。

 僕は窓の外を見ていた。

 いや、、、 実際は窓の表面に浮かぶ様に見える先ほどの出来事を思い出していた。





 その場にいた警察官に言われるままに、僕は地元の警察署へと行くことになった。 署ではもう既に連絡がいっていたようで、すぐに二階の部屋へと案内された。 いろいろと質問をされるが、僕はあまり理解出来ず、また説明をしても僕の拙いスペイン語では相手がどこまで理解してくれているのかもわからない。

 手元に残ったていたバックの中から、スペイン語会話帳を取り出して説明するも、焦ってしまい、、、 果たして、何処まで説明出来て、また理解してもらったのかわからないまま、盗難証明書を作成することとなった。

 書類は既にひな形が出来ていて、そこに僕の名前と実際に盗まれた物を記述していくのみだった。 その担当官の用意のいいことと、作業の手慣れていることから、きっと被害者は数多く存在するのだろうと思い、少し肩の力が抜けた。



 「 きっと僕だけではないのだ、、、 」

 そう思うと、少し安心したような、落ち着いたような、、、

 しかし、その中の一人になってしまったことに落胆してしまった。



 手続きが終わると、この街にいる必要はなくなった。 

 街を出る前に日本にいる母と電話のやりとりを何度かした。 クレジットカードを止めたり、状況を報告したりと、、、

 そんな中での母の「 まあ、体が無事だっただけで、、、 それに、今回の件は授業料だと思って、、、 ね? 」という言葉が響いた。 遠く日本を離れた異国の地で馬鹿をやってしまった息子を気遣って、そう言ってくれたと思うと、、、 情けない気持ちでいっぱいになった。





 疲れているはずなのに、バスの中で眠ることは出来なかった。

 正直、気落ちしていた。 単身、もう二年近くも旅をしているのに、充分気をつけていたのに、わかっていたのに、、、 自分の馬鹿さ加減に嫌気がさし、何だかこの先旅を続けられるか急に心配になった。

 無理もない、旅の全財産とでも言うべき、バックパックを盗まれてしまったのだから、、、



 心配になったというよりは、不安になったというのが正直なところだ。 しかし、それ以上に自分に対する信頼が揺らいでいた、、、 こんな状態でこのまま旅を続けられるのだろうか? 僕は迷っては、悩み、そしてまた不安になっていた、、、





 しかし、そんなことでは困るのだ。



 何に対して困るのか?



 自分自身に対してである。



 旅の全財産とはいえ、所詮は「 モノ 」なのだ。

 満足に物が無ければ、このまま旅を続けられないかと言うと、そうでもないと思った。 それに何が起きても、「 こんなことくらいでっ 」と思えるようにならなくては、僕の思い描くなりたい自分にはなれないだろう。

 それ以上に、「 いや~、盗まれちゃいましたよ~ 」と笑って話せるくらいにならなくては駄目だ。

 こんなことぐらいで揺らいでいては、「 この目で世界を見る 」どころか、自分自身すら見えなくなってしまう。



 そう思い直すと、何だか少し力が出てきた。 この事件を機に、僕は旅をするのに必要な何かを再認識することが出来た、と思う。 それは、旅に対する好奇心であり、勇気であり、情熱であるのだ。 それらが続く限り、「 僕はまだ先へ進める 」とそう思ったのだった。





 ちなみに今回の盗難にあったものと言えば、、、

 ・バックパックそのもの
 ・愛機 iBook (ノートパソコン)+周辺機器
 ・中米~コロンビア間の写真入りCD
 ・旅友(恵美さん)の手書きのアフリカ情報
 ・↑そのお礼にこっそり買っておいた「モラ」x4枚
 ・衣類(つい先日$70分も買い足したのに、、、)
 ・サンダル(一万円もしたのにっ!)
 ・旅の日記
 ・現金
 ・T/C (旅行用小切手)
 ・クレジットカード
 ・愛用していた鍋や包丁
 ・愛用していた毛布
 ・愛用していた「その他の小道具たち」



 今回の被害総額は驚愕の50万円強だった。

 これまで二年ほど旅をしていて、そんなに盗まれたヤツは聞いたことが無い、、、

 自分の中での、強盗被害総額ランキング堂々の第一位に乗り上げてしまった。






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by hitoshi280477 | 2004-11-18 19:35 | Equador

Equador vol.7 「 大、大、大、大、大失態!!  」

「 仁さん、、、
バッグが無いですよっ!! 」







 そう旅友が叫ぶ声が聞こえ、今聞こえたのが何なのか頭が理解する前に、僕はもう駆けていた、、、







 クエンカ を昼過ぎに出発したバスは夕方の6時頃「 Loja ロハ 」という街に到着していた。

 どうやらここからペルーまでの国際バスが乗れるらしく、実はバスを乗り継いでいったほうが割安なのだが、ついその利便性に負けてそこからペルー最初の街 ピウラ まで行くことにした。

 バスは夜の10時半出発で、明け方にはその次の街に着いているとのことだ。



 バスのチケットを手に入れた僕らは、キトから連日の移動で疲れていたこともあってバスターミナルを出ると目の前のロータリーの片隅に腰掛けた。 それまで背負っていたバックパックを地面に置いたとき、ドスンッと思いがけないほど大きな音がしたのは、きっと体が疲れていたためなのだろう。





 旅友が煙草に火をつけた。



 僕は煙草を吸わないが、多くの旅友との「 一服の時間 」に、どうやら僕も一呼吸をいれるタイミングを何時の間にか覚えたらしい。 急に体の底から「 ふっ 」と息を吐いてしまった、、、





 ほんの少しの沈黙の後、僕が話し始めた、、、

 「 ここから先のペルーとボリビアは何でも泥棒とか、強盗とかが多いらしいから気を付けないとね。 宿に荷物を置いている時や、バスに荷物を預ける時も信用出来ないから、このプラスチックのコードとか付けたら良いと思うんだけど、どうかなー?  」



 南米、特にこれから先のペルー、ボリビアはそういった事が多いと聞いていた。

 それは、世界でも稀にみる旅行者に対する犯罪多発地帯なのだ。

 だから僕なりに心の準備も、荷物の準備もしていたつもりだった、、、





 そんな事を話していると、一人の男が僕らの会話に割って入って来た、、、



 「  ♯◎・☆・※  」



 何と言っているのかほとんどわからない。 が、どうやら僕の隣に座っていた旅友の足元に何か落ちていると言っているような気がしたのは、その男が足元から何かを拾い上げるしぐさからわかった。 見ると男の手には小さく折り込まれた「 紙切れ 」があった。

 僕ら二人、目を丸くして、しかしいぶかしげにその様子を見ていると、男はその紙切れを旅友に手渡した。 旅友がそれを広げると、それは「 $1札 」だった。 本物かどうか確認したり、又それが誰の物なのか二人で話をしている間にその男はいつの間にか何処かへ行ってしまったようだった。





 その様子を見ていた近くのおばさんが、僕らに声をかけてきた。 これまた何と言っているかわからない。 バスターミナルの前のロータリーでの事、騒音があって聞き取りも出来やしない。

 おばさんが二回目に口を開いたときには、誰かが何とかかんとか、「 もち~ら 」とかなんとか、、、?

 その言葉を聞いたその瞬間は、僕はおばさんがほかの誰かがその$1札を落としたのを目撃したのかと思っていた、、、





「 仁さん、、、
バッグが無いですよっ!! 」




 振り返ると、ほんのさっきまでそこに有った筈の僕のバックパックが消えているではないかっ
!!

 刹那、僕は無意識のうちに立ち上がり、無我夢中で駆け出していた。

 いや、頭の中に一つだけあったことといえば「 僕の荷物 」、それだけだった。





 僕らの座っていたところと、声をかけてきたその男、そして、そのおばさんとの位置関係から僕は迷うことなく、僕の荷物が持ち去られたであろう方向を瞬時に計算し、駆けていった。

 「 まだ近くにいるはずだ 」

 そう思うのは先ほどの怪しい男がいなくなってから、まだ1分ほどしか経っていなかったからだった。



 その泥棒が逃げていったと思われる方向は左手には建物が、右手にはたくさんのタクシーが客待ちしているロータリーとその向こうには市街へ通じる道があり、そして正面にはバスが往来する場所があった。

 直感で建物の角を左に曲がると、僕の視界には10段ほどの階段があり、何人かの男たちが世間話をしている様子がちらりと見えた。

 その階段を駆け上っていくと、その建物の中から二人の軍服のような物を着た男たちが現れた。 どうやら警察のようだった。

 この時になって僕は初めて「  Ladron, Ladron!!  Mi equipaje!! ( 泥棒、泥棒!! 僕の荷物!! ) 」と騒ぎ出したのだった。



 「  Verdad !?  Donde?  Donde??  ( 本当かっ!? 何処だ、何処?? ) 」



 その警官らしき二人を連れて、その現場まで戻ってみるも僕の荷物が戻ってくるわけがないので、二人の警官が何やかんやと僕に聞いてくるのを無視して、僕は辺りを駆け回った。



 その泥棒が僕の荷物を持ち去ったであろう方向へ、、、 建物の周り、積み荷の積み下ろしをやっている車両や、その荷物の保管庫、客待ちしているタクシーたち、停車している大型バスたちの陰、反対側の道路に渡り向こうからは死角になりそうな建物の脇、、、



 5分。



 10分。



 15分。



 、、、、、



 ( もう無理だな、これ以上は、、、 )



 息が続かなくなった頃、そう思った。

 気が付けば、肩で息をし、鼻息が荒くなっていた。

 目を閉じて、何故か天を仰いだ。













Oooooh~ ,Noooo!!



 それ以上は何も頭に浮かんでこなかった。






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by hitoshi280477 | 2004-11-17 19:36 | Equador

Equador vol.6 「 列車でGO! 」

 「 Riobamba リオバンバ 」から出ると聞いていた列車はどうやら山崩れのために、その先の「 Alausi 」からしか乗車出来ない事が判明したのは駅に到着してからだった。 というのも、この列車、今では旅行者のみが乗る観光列車なのだから地元の人には無関係なのだ。 
駅の窓口に来るまでその事実がわからなかったのにも無理はない。



 翌朝、駅の前から出るという「 Alausi 」までのバスには既にたくさんの外国人旅行客でいっぱいだった。 どうやら皆目的は同じらしく、昨日閑散としていた駅の前はそんな旅行者で混雑していた。 驚く事に、僕ともう一人の旅友が最後の乗客だった。 大型観光バスの話である。

 という事は、その車内にはおよそ50人の外国人旅行者が乗っている事になる。 Alausi の駅での混雑ぶりが目に浮かぶようだった、、、





 バスが行く道にはアンデスの山々の美しい緑が広がっていた。 棘々しくそびえ立つような山はなく、どこか可愛らしさのあるこんもりとした丸い山脈が続いていた。 思っていたよりもバスの窓越しに見える景色は良く見えて、そのアンデス山脈の雄大で、柔らかい景色に僕の目は奪われていった。



 少し小高いところを走ると眼下にレールが見えた。



 ( どうやらあれが Riobamba からのヤツらしい。 本来ならば今頃そのレールの上を走っているはずなのに、、、 でも、こうやって高いところから見下ろすレールってのも絵になるもんだなぁ )



 アンデス山脈の合間を縫うように走るレールは、距離はあるものの、僕らのバスが進んでいる道と平行するように続いて走っていた。 後ろからこの緑一色のようなアンデスの風景にはとても調和の取れそうも無いド派手な列車が近づいて来たことに気が付いた。 一車両しかなくても、そのドギツイ色をした列車は、注目されるのには充分目立った、、、





 (ー_ー;)?



 「 何故、列車が走っているっ!? 」 車内が騒然としたのはいうまでもなかった。

 誰しもがあの列車に乗るためにここに来ているというのだ。 どうやら皆口々に不満を漏らしているようで、どこそこから「 I don't understand this... 」とか、聞こえてくる。 スペイン語圏を旅行していても、不満は英語で出るようだ。



 「 ま、ここは南米だからね、、、 」





 バスに乗る事約2時間。 今は目的地になった「 Alausi 」に到着した。 予想していたとおり、一度に大量の人が窓口に殺到したから大変だ。 しかも、窓口は二階にあって、僕も二階へと続く螺旋階段で待つはめになった。

 皆、平静をかろうじて保つような顔をしていた気がした。 何せ、待つのはいいがチケットが買えるかどうかも、上の状況がどうなっているかも分からないのだから困ったもんだ。 しかも、時間がかかっている。 たかだが列車のチケットを売買するだけなのに、、、

 列車のチケットとはいっても、明日とか明後日とか、ファーストクラスとか、窓側とか、そんなもんは何もないのにどうしてそこまで時間がかかるのか? 楽しい旅行中のはずなのに、列に並ぶ旅行者の間にはお通夜の時のような、何だか誰も破ってはいけないような沈黙が続いていた。



 何てことはない。 結局、相当な時間がかかってしまたのは、ただ単に全て手作業だっただけだからだ。 こんなことくらい、ここ南米では何てことはないのだ。 そう捉えないと、こちらが神経をやられてしまう。





 午後、出発の時間がやっときた。



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 まるでおもちゃのような外観の列車に我先へと殺到する旅行者たち。 無理もない、本来ならば朝7時くらいにはこの列車に乗れているはずなのだから、、、 更に、この列車の売りである屋根の上に乗るべく、皆その限られたスペースを争う事になる。

 狩猟民族の多い中、農耕民族の僕はとっとと車内の良い席を確保した。 というのも、この列車はいずれにしても先にある駅への往復となっていて、その切り替えの際に屋根の上と車内の乗客を入れ替えることになっているのを僕は聞いていたからだ。



 いよいよ出発だ。

 ゴトゴトと音を立てて進む列車。 観光客しか乗せていないのだから、雰囲気はイマイチだが、乗りかかった船もう乗ってしまっている列車だ。 楽しむしかない。

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 列車は少し険しい様相の谷間をスイッチバックというj方式を用いて谷底へと近づいていく。 要はジグザグに降りていくのだ。 正直、車内からはその様子がわかりにくい。

 小一時間程たったところで、列車が行ける谷の最深部に到着。 乗客が入れ替わり、今度は僕も屋根の上に乗れた。



 取りたてて目を引くような見所があるようではないが、何といっても列車の屋根の上に乗れるというのが気持ち良い。 早くもなく、遅くもなく、ちょうど良いスピードで行く列車には心地良い風が吹き付けていた。 吹き付けていたというよりは、風を切って走っていると言ったほうが正確か。

 谷を登るにつれて、先ほど降りていった谷間がその名のとおり眼下に見える。 屋根の上に乗れるといっても、別に特別座席が用意されているわけではないので、両足は既に列車の外だ。 ゴトゴトと列車が横揺れしようもんなら、年配旅行者は大騒ぎだ。


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 往復約2時間ほどで観光列車の旅は終わった。 何にせよ乗りたかったものに乗れたのだから、それで良かった。 やりたい事をやれないよりはマシだと思うことにした。

 「 まあ、良かったんじゃない? 」と、旅友に話しかける僕。

 「 、、、 でも、悪魔の喉笛って何処だったんでしょうかね? 」





 Σ( ̄□ ̄;)

 「 そ、そう言えば、、、 」



 悪魔の喉笛。

 そう、この列車の旅の見所とされているポイントだ。 何でも話に聞いたところによると、天然の洞窟というかトンネルようになっていて、そこをくぐるときには「 頭を低くしろーっ 」とか何とか車掌さんが合図するとかどうとか、、、



 「 ま、ここは南米だからね、、、  」






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by hitoshi280477 | 2004-11-16 19:33 | Equador

Equador vol.5 「 Bano? o Banos? 」

 何処の国に行くにしても挨拶と同じくらい初めのうちに覚えなくてはならない言葉がある。



 トイレ、だ。



 英語なら、Toilet / Bathroom / Restroom。
 フランス語なら、toilette。
 中国語なら、厠所。
 タイ語なら、ホンナム。
 ベトナム語なら、ニャーベーシン。
 、、、



 と、こんな具合に( もうほとんど忘れてしまったが、、、)どこの国に行ってもその土地の言葉で知らないと、ボディランゲージという恐ろしい手段を使わなくてはならなくなってしまう。 人間の生理上、これは避けては通れない話なのだ。

 ここで一つ重要なことは、言語によっては一つの単語に複数の意味を持つときがあったり、逆に一つの意味に複数の単語が存在するときがある。

 例えば、日本語で「 トイレ 」は「 お手洗い 」や「 洗面所 」、「 便所 」に「 厠 」などと多岐に渡って表現できる。 英語でも同じで、「 Toilet 」、「 Bathroom 」、「 Restroom 」、「 W.C. 」( ←これは英語なのか? )とあったりする。 そして、ここスペイン語圏ではトイレは「 Bano 」、もしくは「 Servicio 」と僕の辞書にはある。



 Bano?

 確か僕の次の目的地は Bano だったはず、、、 次の街はトイレなのか?



 今まで街の名前が昔の英雄の名前だったり、その土地の気候や特産物なんかから名付けられたところはあった。 しかし、トイレなんてのは存在しなかった。

 街では便器が名産品なのか?
 街が便器のような形なのか?
 街が臭いのか?
 街にうんこ処理場でもあるのか?



 実は僕の辞書は英語=スペイン語で、調べ直してみるとどうやら「 Bano 」ではなく「 Banos 」というのに「 Spa 」と書いてある。 「 Spa=スパ 」? スパというと温泉や健康ランドとかにありそうなアレか? よくわからないので、旅友の日本語=スペイン語の辞書を借りて調べてみると、「 Banos Publicos 」というのに「 公衆浴場 」とある。 きっと「 Banos 」とは温泉、もしくは銭湯かなんかのことなのだろう。 そう言えば、他の旅友がそんなことを言っていた気がする、、、





 キトから4時間程でバスターミナルに着いた。 ターミナルは閑散としたところにあって、本当にここに温泉ならぬ公衆浴場があるのだろうか、と疑ってしまうほどだった。 もっとも、温泉大国日本の温泉街を期待するのは間違っているのだけれど。

 人に教えられたように、ターミナルから坂道を下っていくと、何処にでも有りそうな旅行者の街が広がっていた。 その界隈を通り抜けて歩いていくことしばらく、目印となる滝がやっと見えてきた。

 ぱっと見て、やはり温泉ではなく公衆浴場だなと思った。 というのも、皆水着を着用していて、浴槽はプールのように四角く区画されいて、子どもは泳ぎ回っているし、若者は飛び込み大会をしているし、、、 とにかく大混雑に、大混乱しているからだ。





 何はともあれ、長旅の疲れを癒そうと、湯船に浸かってみる、、、



 (  ぬ、ぬるい、、、 )



 僕は、はっきり言って熱い湯は好きではない。 お風呂は大概シャワーのみの人間だ。 だから、お風呂がぬるいとかなんとかガタガタ言ったりはしないのだが、、、 ここの湯ははっきり言ってぬるい。

 しかも、ちょうど気持ち悪くなるくらいの湯加減だ。 もし、こんなとこに熱い風呂が好きな頑固なおっさんでもいたら大変なことになっているだろうな、と思わせるほどだ。 まあ、熱い湯を好むなんてのは日本人くらいで、わざわざ海外の温泉まで来て、、、

 ふと隣の浴槽を見ると、誰も入っていないことに気付いた。 訝しげに思いつつも、誰も入っていないのには何か理由があるのだろうと思い、入ってみることにした、、、





 、、、





 、、、





 あっ、熱ぃーっ!!



 火傷したかと思うほど、その浴槽の中の湯は熱かった!!

 今までこんなに熱い湯船は見たことがない。 なるほど、誰も入っていない理由がわかった。 もし仮にここにあの頑固爺がいたら、どうなってるんだろう? 足を見てみると、真っ赤に茹で上がっていた。

 しかし、、、

 やはり熱い湯は気持ちが良いのだ。 何というか、スカッとするというか、、、 でも、こんなに熱いのはきっと日本人ぐらいしか入れないだろうな、、、



 そうか。 僕もやはり日本人なのだ。

 ここは日本代表として、この熱い湯に日本人は入れるということを地元の人にお見せしようではないかっ!?

 そう思うと、意を決して肩まで浸かることにした、、、





 、、、





 、、、





 あっ、熱ぃーっ!!

 やはり熱いものは熱いのである。

 しかし、さっきよりも熱くは感じなくなっていた。 きっと体が慣れてきているのだろうと思い、体が慣れるだろうと思い、何度も何度も入っては出てを繰り返してみた。 そんなことをしている日本人を珍しく思ったのか、湯加減を知らぬか、地元の人や外国人旅行者も入りにきたが、皆片足を入れたとたんに顔色が豹変し、びっくりして湯船から足を引っこ抜いていた。 それを横目に僕は( 鍛えかたが違うんだよ )などと、一人ほくそえんでいた、、、



 人間慣れるもだ。

 周りの人の視線が集まる中、僕はその全長10mほどの浴槽の中を泳いで見せた。 ここの人にしてみれば、熱い湯に入ることも、泳ぐことも難しいのだから、その注目度といったらこの上なかった。 人の視線が集まることをいい気に、何度も何度も泳いで見せた。



 そして、、、 すっごくのぼせた。

 少し標高があるせいかもしれないが、今にも気を失ってしまいそうなほどに、頭がクラクラしてきた。 それに、体を見ると全身真っ赤だった。 ガラパゴス諸島での船旅からの疲れを癒そうかと思って来たのに、これでは疲れがとれたのかどうなのかわからなかった、、、





 今日のまとめ。

 Bano トイレ、お風呂場

 Banos スパ






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by hitoshi280477 | 2004-11-15 19:08 | Equador

Equador vol.4 「 Las Islas Galapagos ガラパゴス諸島 」

 「 ガラパゴス諸島に行こうっ!! 」

 そう決めたのはキトへと向かうバスの中だった。 もちろん以前から機会があれば行ってみたいとは思っていたものの、そうすんなり行けるところではなく、南米に入ってからもお金や時間の関係からどこか渋っていたところがあった。 しかし、よくよく考えると、ここまで来て、この機会を逃す手は無いのである。



 あのチャールズ・ダーウィン博士の「 種の起源 」が世に送り出されるきっかけとなったガラパゴス諸島。 大陸から遠く離れた島の独特の環境下で、独自に進化してきた動物や植物がいると言われている。



 人との出会いを主体としてきた僕の旅に動物たちとの出会いを加えてみるのも良いではないか? そう思うと僕の腹は決まった。 未知なる動物たちとの出会いを求めて、、、

  Let's Go, ガラパゴス諸島!!

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  特集!! ガラパゴス諸島はこちら -Las Islas Galapagos




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by hitoshi280477 | 2004-11-06 19:05 | Equador

Equador vol.3 「 赤道直下? 」

 実はエクアドルは赤道上にある数少ない国の一つだ。 その赤道はキトの北約22kmのところにあるわけで、コロンビアとの国境からのバスに乗っていれば自然と赤道を越えることが出来る。 この時点で、自身初の南半球入りをしたことになる。

 が、しかし、そもそも赤道が見えるはずはないし、しかもバスの中では爆睡していたので、南半球に足を踏み入れたことに気づいたのはキトの宿で情報ノートを読んでたときだった、、、 というのは、ここエクアドルには大袈裟にも赤道博物館が存在する(  果たして他の赤道直下の国々にも存在するのだろうか?  )と話に聞いていて、その情報ノートにそこまでの行き方が書いてあったからなのだ。



 キトの旧市街から、トローリー( 路面電車 )とバスを乗り継ぐこと約一時間半。

 「 La Mitad El Mundo (仁訳:世界の半分) 」という場所にやって来た。 バスを降りた円形状のロータリーのところからでさえも、どっ~んと聳え立っている建物が見える。 わざわざ旅の思い出づくりのために行くのはどうかと、宿を発つころは渋っていたが、いざ現場に来ると燃えるような何かが込み上げてくるものである!



 入り口にて入場料を支払い終えると、はやる気持ちを押さえ切れずには小走りした。

 「 赤道は何処なのか? 」さっき建物を見たときから、何故か焦っているようだ。 別に赤道が逃げるわけでもないし、無くなるわけでもないのに、、、 その見るからにそれっぽいその建物目指して僕は急いだ。





 「 あっ、ここだ! ここっ!! 」

 まるで僕が初めて赤道を見つけた人のように大声で叫んでしまった。 ま、はしゃいでしまうのも致し方ない、何せ僕にとって初赤道なのである。 世の中のうちの何人の人間が赤道を越えられるのかということを考えると、つい、、、

 狂ったようにはしゃいだあとは、写真撮影大会だ。 白々しくも赤っぽい色で引かれた線の上に立ってみたり、跨いでみたり、座ってみたり、、、 恥じることなく、撮り続けた。





 「 今日は赤道記念日だね。 」なんてお馬鹿な発言がすらりと出てしまうほど、はしゃいでいた。 一通りやりたいことをし終えて、記念の赤道直下スタンプを押してもらい、ほくほくしていた頃、他の旅友に教えてもらったことを思い出した。

 ここは赤道直下。

 そう普段僕らの生活している環境とは少し何かが違っているのである。 それを体験するためにここではとある実験が出来ると聞いていた。 一つは北と南では水の渦の巻き方が違うこと。 もう一つは重力の話で、なんでも卵を使った実験があるとか。

 せっかくここまで来ていて、この二つを逃す手はないのだ。 そう思うと、早速辺りにいる従業員の皆さんにに何処でそれが出来るかを尋ねてみた。 すると、、、





 どどっーん!Σ( ̄□ ̄;)

 「 こ、ここじゃない、、、 」



 そうだった。 またやってしまった。 ここじゃなくて、「 もう一つのほう 」だって旅友が教えてくれていたのに、情報ノートにそう書いてあったのに、、、



 「 ああ、またやってしまったのか、、、 」



 と、言うのは、実はこの赤道博物館、本当の赤道の上にあるわけではないらしいのだ。 話によると、赤道上に建物をやらなんやらを建てた後、調べ直してみると実は50mほどのずれがあったとかっ!! なんとも馬鹿げた話である。 こんなに立派な建物なのに、、、

 きっと、その事実が判明した後も、後には退けずにそのままずるずると営業しているのだろう。 そう思うと、さっきまであんなに立派に見えていたあの赤道上にある建物もなんだかハリボテのように見えてきた、、、

 「 おいおい、あんなにはしゃいでしまったじゃんかっ 」





 気を取り直して、本当の赤道のある場所へと向かうことにした。 とはいえ、偽物と本物の差はたかだが50m。 歩いてすぐの場所にあった。 その名は「 Inti Nan 」。 まるで誰かの家の庭先のような感じのするところだ。 先ほどのところとは大違いで商売っけは全くない。 ガイドのお姉さんが付いてくれ、赤道のことはもちろん、この辺りの歴史なんかも同時に説明してくれるのだ。

 さて、本物の赤道はというと、、、 やっぱり赤線が引いてあった。 二度も同じ事をするのはとてもアホらしいのだが、ここが本物の赤道とわかってしまえばもう恐いこと( 恥ずかしいことも )はない。 赤道を跨いで写真を撮ってみたり、赤道上に乗ってみたり、、、



 「 今日は赤道祭りだね 」





 ガイドのお姉さんの説明が始まった。

 日時計について。
 水の渦について。
 重力について。



 そして、待ちに待った実験が始まった。 一つ目は水の渦巻きに関するものだった。

 何処にでもある台所の流し台の中に水が張ってあって、その下に受け皿としてバケツが置いてある。 お姉さんはその辺にある葉っぱを拾ってその水の上に浮かばせた後、流し台の栓を引き抜いた。 すると、当たり前だが、水が排水パイプを通って、下にあるバケツの中に渦を巻いて落ちていく様子が先ほどの葉っぱのお陰でわかりやすい。

 今度は赤道を越えて、といっても先程の場所から3mくらいしか離れていない、同じ実験をする。 同じように葉っぱを浮かべて、栓を抜く。 すると今度はなんと水の渦の巻き方が先程とは反対なのだ!

 全てが同じ条件の下、結果が目に見えて違う。 まるでこの世の妙を見てしまった気分だ。 別にこの結果が僕らの日常生活に何か特別な影響があるとも思えないが、、、 いや、あるのかもしれない。

 とにかく、驚きなのだ。 こういうことは小学校の理科の実験かなんかでやって欲しいものだ。 無理だけど、、、





 次は重力の実験だ。

 お姉さんは卵を一つ取り出して、曰く「 この釘の頭の部分に立てます 」と。 卵といっても、生卵。 確かコロンブスの話の中で、ゆで卵を立てる話があった気がするが、これは生卵の話なのだ。 それを釘の平たい頭の上に立てるというのだ。

 お姉さんはやはりプロなので、いとも簡単に生卵を釘の上に立ててみせた。



 一体何がどうなっているのかというと、説明はこうだった。 ここは赤道上にあるため、遠心力の関係で重力が他のところに比べて、重力が小さいらしい。 人間の体重を例にとってみると、約1kgほど軽くなっていると言う。 本当か?



 卵の実験はまず始めにスェーデン人がやってみた。 やはり、欧米人には難しようで成功しなかった。 その次に一緒にいた旅友が試みるものの、失敗。 そして、僕の出番となった。

 僕は生来我慢強いほうだ。 子どもの時にお祭りで綿菓子を買うために一人2時間ほど待ったことがあるくらいだ。 こういうことは我慢強く、辛抱強くなくては出来ないのだ。 それに加えて手先の器用さを要求される、、、 自慢じゃないが折り紙は得意だ。 さらに付け加えれば、超負けず嫌いなのである。 良く言えば、最後まで物事を諦めないほうで、悪く言えば、諦めが悪いのである。 こういう事となると、やれ「 男の見せ所だ 」とか、「 やらなきゃ、男が廃る 」とか、なんたらかんたら、、、 勝手にそういう話になるのである。



 さて、第一投。

 失敗。

 第二投。

 失敗。

 第三投。

 失敗。

 第?投。

 失敗。



 「 ふぃーっ 」

 「 自制心と平常心だ、、、 」



 続く、第?投。



 ( もうちょっとこう、こっちにこうして、いや、もうちょっとこっちに、、、 おおっ? んあっ? 、、、 、、、 )





 見事、成功。 事は成せるのだ。



 ( どうよ、見たかい? )



 そう周囲に視線を投げかけると、僕は大満足だった。 これで思い残すことなく赤道を後に出来るのだった、、、






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by hitoshi280477 | 2004-11-05 19:04 | Equador

Equador vol.2 「 旧市街 」

 石畳が至る所を走っている。 広場があって、教会があって、、、 右を見ても、左を見てもコロニアル風の建物ばかり。



 「 それが中南米の旧市街ってもんだ 」

 そう思うようになっていた。



 きっとスペイン人がやって来て、「  あーしろ、こーしろ  」と言って作り上げた街が今でいう旧市街なのだ。 だからといって、その景観が嫌いなわけでもなく、また正直な所、先住民インディヘナの人々ではここまできちんとした街は作れなかった事だろうと思う。 



 街並みは奇麗である。

 街自体が世界遺産に指定されるほどなのだから、わざわざ僕なんかが言う事は何も無いのだが、無いはずなのだが、、、 ただ一つ。 旧市街なのに、何故こんなに坂が多い?

 というのは、僕の思う所、旧市街とは古い街、つまり新市街より古いのだ。 何が言いたいのかというと、旧市街は今の新市街よりも先に作られた街なのにも関わらず、どうしてこんな坂の多い、どちらかというと立地条件の悪い場所に作られたのか?ということだ。

 キトの街は標高が2800mあって、4000~6000m級の山々に挟まれるようにある。 現在旧市街と呼ばれるエリアはどちらかというと山の中腹に広がるようにあって、新市街はというともっとしたに下った麓というか拓けた部分にある。 もし仮に、今の新市街のある土地が、例えば川がよく氾濫したとか、そんな具体的な理由があれば別なのだが、、、 特にそう思えるような大きな川は無い。 もしかしたら、その中腹にはアンデス特有の段段畑なんぞがあったかもしれぬ、、、 実際のところどうなのだろう?



 まあ、正直何でも良いのだが、宿周辺を歩くたびに息が切れるのはいただけない。 最近の運動不足が祟ってのことなら納得できるのだが、ここはすでに標高3000m近いのだ。 その4階部分に泊まっているので、部屋に辿り着くまでで一苦労、、、

 しかも、この高所にある街での外国人旅行者、特に日本人、を狙った首絞め強盗が多発しているらしいので、尚更いただけない。 これからアンデス山脈奥部に入っていくのだから、徐々に高度順応出来てちょうど良いと言えば、良いのだが、、、



 しかし、それにしても街並みは奇麗である。 見ていて飽きることはない、、、

 特にホテルの目の前にある教会の夜の姿は綺麗だ。 明かりの少ないキトの夜、、、 ライトアップされた教会が夜の世界に浮かび上がる、、、

 で、夜。 強盗多発のキトの街、ビビリながらも写真を撮りに行ったのでした。 静まり返った旧市街は本当に怖い、、、






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by hitoshi280477 | 2004-11-04 19:03 | Equador

Equador vol.1 「 深夜着 」

 「 またやってしまったか、、、 」

 目が覚めるとあんなにたくさんいた他の乗客たちは誰一人としていなかった。 いつの間にか、一人になっていた。 目をこすりながら車掌に目をやると「  やっと起きたか、、、  」と言いたげな面持ちで言った。 「 もうキトのバスターミナルに着くよ 」 時計に目をやると、夜の11時を指していた。

 普段はきっとたくさんの人でごった返しているであろうバスターミナルも、夜の11時とあっては不気味なぐらいひっそりと静まり返っている。 今日の仕事を終えた古びたバスたちの合間をぬいながら、少し小走りに僕はタクシーを探した、、、



 初めての土地に夜中に到着するのははっきり言って良くない。 道もわからず、治安もわからず、ましてやその時の現場の状況さえわからないのだ。 24時間オープンの国際空港にでも到着するのなら話は別なのだが、ここは南米。

 しかも、強盗の噂が絶えないエクアドルの首都、キト。 好ましくない状況にいるのは明白だった。 今までの経験から、なるべく深夜着を避けてきたものの、今まで何も危険な目に合わなかったことが、僕を粋がらせてしまったのかもしれない。



 インドのバラナシには9時過ぎに。
 エジプトのカイロにはちょうど夜の12時に。
 スペインのマドリッドには深夜4時に。



 今まで大丈夫だったからといって、今回も大丈夫、、、 などという考えがあるわけでもないわけでもないのだが、いつもなんとなく直感で行ってしまっていたのだ。 自分に正直になると、はっきり言って危ないのだからやめた方がいいのは百も承知なのだが、つい恐いもの見たさというか、、、 行ってしまうのだった。 持ち前の負けん気が余計なところで強く出てしまう時だ。



 そして、今回もそうだった。

 例に漏れず何もないよくある感じの国境の町にて、一泊するのをどこか渋っている僕に抜群のタイミングで声をかけてくる乗合タクシーのおじさんの勧誘に勧められるまま国境を越えてしまった。 越えてしまえばもう行くしかないので、腹をくくって深夜着とわかりきっているバスに乗り込んだ。

 深夜着と承知しているにもかかわらず、車掌さんにキトへの到着予定時刻を聞く自分に後ろめたさを少し感じた。 が、しかし僕は昔から「 話を聞かないお子さん 」なのであった、、、





 こういう時の人選びは大事だ。 その人にほんの一時とはいえ僕の旅の全財産を委ねることになるのだから、慎重にならざるを得ない。 いつも揉め事が絶えないことから好きではないタクシーの運ちゃんも、こういう時ばかりは頼りしてしまう。 というか、他に手はないのだからしょうがない。

 こういう時は決まって少し年配の人を選ぶことにしている。 何故かというと、そこまできちんとした根拠は何もないのだけれど、若い輩は万国共通で駄目だ。 平気で嘘をついたり、揉め事を起こしたり、脅したり、と。 大概、宿に着くまでに何かしらのトラブルに陥る可能性が高いと思う。 いつもお金のことばかり考えているからだろう、と思っている。

 それに比べれば年配の人の方がもう少し信用が出来る。 家族がちゃんといる人なんかは特に信頼出来るのではないかと思っている。 もちろん、人によるが、、、 それでも、力ずくで何か悪いことをされる危険性は若い輩に比べてぐぐっと低いと思う。

 ということから、僕はいつも年配の人を選ぶことにしている。





 ガラス窓越しに見えるキトの街の第一印象はちょっと神秘的だった。 旧市街にある宿までの道のりには、いわゆるコロニアル風の建物がいっぱいで、それら全てが暖かみのある街灯に照らし出されていて、普段はきっと寒々とした感じのする石畳の道さえも暖かいもののように見えた。 夜遅すぎたこともあったことから、街に人影は皆無だった。



 宿のあるサンフランシスコ広場の一角に着いた。

 教会の前に広がる大きな広場にでさえも人影は見当たらず、ほんのり赤みを帯びた石畳が広がっているだけだった。 そこに広がる光景はとても幻想的で、僕がそこに居合わせた時間がほんの少し違うだけで、こんなにも街の風景は違うものなのだなと一人感慨深くなってしまった。 それと同時に、その瞬間に、その空間に一人でいることの虚しさと怖さを何故か感じていた。

 ここがゴーストタウンと言われれば信じてしまいそうなほど、街はひっそりと静まり返っていた、、、



 宿へ急ぐことにした。



 アテにしていた宿は、コロニアルな建物の中にある。 大きな建物の割りには、酷く殺風景なドアをガンガン叩く、、、 が、何の反応もない。

 と、同時に一気に恐くなった。 もしドアが開かなかったら、どうしよう、、、

 「 首絞め強盗 」で有名な街、キト、、、 どうなる今夜の運命は?






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by hitoshi280477 | 2004-11-03 19:01 | Equador