サナアから乗り物を乗り継ぐ事、約1時間半。 ワディ・ダハールという小さな村がある。
小さな岩山の上に建つ「 ロックパレス 」という昔のイマーム(=支配者)の夏の別荘がある事で知られている場所だ。
ここから遠く岩山を見上げたところに「 ジャンビーヤ・ダンス 」というのが毎週金曜日に催されているというので、それを見に行く事にした。
実際、この辺りは大きな岩山に囲まれた土地で、緑が少しはあるものの、大地の「 茶色 」がこの地が乾燥していることを示している。
荒涼とした感じのする地域だ。
さて、そのジャンビーヤ・ダンス、、、
何処で何時やるものなのかよく知らなかったが、なんとかたくさんの人垣の向こうにそれを見つける事が出来た。
男たちがアラブの雰囲気を醸し出す管楽器と太鼓の音に合わせながら、輪になったり、一列になったりしている。
そして、手にしたジャンビーヤを天に地にかざしながら踊り続けるというもの。
なのだが、どこかギコチなく感じられる!
どうやら、日本人団体観光客主催のモノか?
ジャンビーヤといえば、それはイエメンの男たちには欠かせないモノだ。
腰に巻いた太いベルトにさす「 半月刀 」だ。
話によれば、由緒正しい家に伝わるジャンビーヤには100年以上のモノや、時価数千万円というのもあるという。
モノによって地方色や価値は様々。 それは刃や、柄や、鞘、それに全体の雰囲気に出ている。
アラビヤン・ナイトの登場人物たちを思わせるこの半月刀、現代ではあまり使用されることや、所持すること自体に疑問を持つ人も多い。
けれど、このジャンビーヤ。 女・子供・身分の低い者には所持する事が許されておらず、これを身につける事が一人前の戦士であることを示しているとのこと。
つまり、ジャンビーヤを所持しているということは、彼が一人前の権利と勇気を有する部族民族である事、誇り高きイエメン人だという事を物語っている、、、 のだそうだ。
カッコいい、、、 ああ、踊り自体は大した事なかったなぁ。