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Mauritania vol.4 「 退屈な街 アタール  」

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 アタールの街はモーリタニアのど真ん中にあるということもあって、僕にとっては一つ基点となる街だった。 だからという理由なのか、僕はこのアタールという街に少し期待している部分が心の中にあったようだった。 それは間違いというわけではないけれど、期待通りでなかった事は間違いなかった。 勝手に期待しておいて何だが、、、



 アタールはハッキリ言って小さな街だった。 街と言うと少し感じが違うかもしれないが、そこが小規模な街であることは間違いなかった。 というのも、街の中心はただのロータリーになっているだけで、その傍に小さな市場があって、その奥に商店が少しばかしあって、その奥に更に小さくて汚い市場があって、その道の傍らで物売りが商いをしている、、、 それだけの所だ。

Mauritania vol.4 「 退屈な街 アタール  」_a0086274_15312198.jpg 街を歩いて特に思う事はあまりないが、目を引く事と言えば人々の服だろう。 ここでは男女関係なく、人々は鮮やかな服を身にまとっている。 何故か男性陣は皆総じて薄い青色の少しダブダブした服で、頭には布を巻いているものがほとんだ。 その布は砂漠の民では当たり前なのだが、口と鼻といった呼吸器系を乾燥から守り、髪の毛を砂埃から防いだりもする。

 女性陣は、頭から足先まですっぽりと布で覆っているとはいえ、その色だけは個人の好みによるようだ。 鮮やかな色合いのものが多く、そのどれもが素敵に見える。 思っていたよりも女性は社交的だが、やはりイスラム国家だけに交流するのは難しい。







Mauritania vol.4 「 退屈な街 アタール  」_a0086274_15311395.jpg 街が埃っぽいのはしょうがない。 砂漠の国、モーリタニアのど真ん中なのだからそれはしょうがない事なのだ。 道路の端っこには砂があって、それが車が通る度、人が歩く度、風が吹く度に舞ってしまう。 その為、少し街歩きをしただけで髪の毛はもう砂埃まみれだ。 それに、服や靴まですぐに砂埃まみれだ。



 そして、イスラムの国だけに写真をとるのも難しい。 街の写真でさえも、人に注意をくらうことがある。 後で聞けば、ちょっと昔まではこの国で写真を撮るのには許可証が必要だったとか? 何の為に許可証が必要なのかよく分からんが、何ともやりにくい国ではある。 もちろん人物写真なんぞはほぼ全滅。 最初は笑顔で接していても、やはり写真には抵抗があるようだ。 元々、現地の人々のほとんどはあまり良い顔をしていないが、、、



Mauritania vol.4 「 退屈な街 アタール  」_a0086274_153294.jpg 食料をめて街を歩き回る、、、 あんまり期待せずに探し回っていたが、市場には想像以上にモノはあった。 ただ、それを買いたいかと言われると、、、

 日常生活に必要なモノは、きっと海岸線にある街からやってくるのだろう。 もっとも、そんなモノがなくとも、ここの人々はここでずっと生活してきたのだから、、、

 食料品となると、そのほとんどが瓶・缶詰や、乾物になってしまう。 ちなみに、そのほぼ全部が欧州からやってきているとあって、かなり割高になる。 それでも、まだ手に入るのだからありがたく思うしかなかった。

 結局、買い求めたモノといえば、水、パン、チーズ、ゆで卵、ツナ缶、、、 そして、納得いかない価格だったトマト。 やはり野菜類も採れにくいことからか、そこそこ高くつく。 もはや栄養面など考えられない、、、

 話によると、野菜類はモロッコからやってくるとか?



Mauritania vol.4 「 退屈な街 アタール  」_a0086274_1533912.jpg こんな砂漠の真ん中で、何処に泊まるのかというと、、、 こんな宿感じの宿となる。 欧州人(特に仏人)が多い西アフリカでは、こんな寂れた街にも宿泊施設はあったりもする。 この際、泊まれるのであれば、何処でも良かったのだが、、、

 果たしてそこは居心地の良い宿だった。 やはり経営が仏人/独人とあって、宿の設備は少々ボロイものの、配慮+信頼がそこにはあった。 テントで寝るということさえ凌げれば、何の問題もない宿、、、 ただ、それが問題なのだったが。

 砂漠のど真ん中、朝晩はかなり冷え込む。 相変わらず持っているモノを総動員して寝ないと、とてもじゃないがその寒さに耐えることは出来ない、、、 

  ちなみに、この宿で一番嬉しかったのは、「 人と話が出来たこと 」。 二番目は「 食事を提供出来る宿だったこと 」。 そして、三番目は「 (しょぼいながらも)マットレスで寝れたこと 」。


Mauritania vol.4 「 退屈な街 アタール  」_a0086274_15331720.jpg 欧州人の間では、そこそこポピュラーなサハラ越え。 日本ではいわゆる「 いい年したオトナ 」が、こちらでは本気でサハラ越えに多数やってくる。 もちろん自前の車で、、、

 特にモロッコとの国境周辺では、たくさんのキャンピングカーや4x4を見かけた。 その中でも、個人でサハラを越えてくるとなると、本気の人が多い、、、 そして、喜ばしいことに、「 TOYOTA LAND CRUISER 」なのだ!

 世界最強の市販車とも思われるランクルは、世界の反対側でも大活躍。 また、日本人と分かると何故か妙に褒められ、必要以上に優越間に浸れるのだ、、、 かの地をこんな遠くに離れて、日本を感じるとは、、、



 しかし、することのない街だ。 歩いていても、お約束の如く「 中国人!! 」とだけ聞こえて来るのみで、別になんら楽しい事はない。 楽しくないどころか、する事のないガキンチョと、暇な大人たちが実りの少ない会話をしかけてくる、、、 それならまだしも、子供は「 何かくれっ 」と言ってくる。 ここの街は子供たちを 強盗 に育てているのだろうか? 大人たちも暇なら教育してやって欲しい。 どうしょうもうない奴も多い。



Mauritania vol.4 「 退屈な街 アタール  」_a0086274_15315728.jpg 一番嫌だったのは、物価が高いこと。 何せモーリタニアは超債務国であり、砂漠の国なのだ。 特に食料のそのほとんどを輸入に頼っていると聞く。 砂漠の真ん中でトマトを買って高いというのもいけないかもしれないが、それにしても物価は高いと思う。 更に、平気で嘘をついて値段をボッてくる人間が多過ぎる。 もちろん値札なんか存在しないのだから、その金額があっているとか間違っているとかは分からず、いつも自分自身が納得して買うしかない。 それにしても高過ぎるのだ。 イスラムの国ってのはどうもその辺に教えがなっていないと思う。 イスラム教徒は嘘をついても何とも思わないのだろうか? ハッキリ言って恥だと思う。 金額が分からないから油断して、手の平に少しお金を乗せて見せると、「 全部よこせっ 」というおばさんも多い。 全くどうしようもない。



 別にどうでも良い事だが、こんな街で育つ子供は可愛そうだ。 彼らがこんな親から育っていけば、間違いなくそんな大人になるしかないのだから。 もちろん親切な人もいるが、そうでない、、、 というより、とんでもない大人が多過ぎる。 こんな街に週4便もの国際線が飛んで来るのだから実に不思議だ。 もちろんそのほとんどが、ここが目的地ではないのだろうが、、、

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by hitoshi280477 | 2006-01-19 11:01 | Mauritania
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