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Senegal vol.4 「 ゴレ島に行く 」

Senegal vol.4 「 ゴレ島に行く 」_a0086274_1916131.jpg ダカールからフェリーに乗る事約30分、、、 小さな島がある。

 ゴレ島だ。

 何故この島に来たのかと言うと、実はこの島は以前は西アフリカからの奴隷の積み出し港で有名だったからだ。 今ではその当時の使われていた建物なんかが世界文化遺産に登録されていて、セネガルでは観光の目玉となっている場所なのだ。 そこに行けば、少しは当時のアフリカ人奴隷の歴史を少しは知れると思い、僕も他の観光客に混じってやって来たのだ。




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 短いながらも爽やかな船の旅が終わると、そこは以前は奴隷貿易で重要な中継地点とされていた島なのだ。 見ればダカールの街の高層ビル群が見える。 それ程近いこの場所は、奴隷証人たちが捕まえてきた奴隷たちを逃がさないように捕獲しておくには最適の場所だったのだろう。




Senegal vol.4 「 ゴレ島に行く 」_a0086274_19163416.jpg その当時の様子を伝える建物として一番有名なのが、「 奴隷の家 」と呼ばれる館だ。

 少し変わった面持ちをしたその建物の中では、以前は奴隷たちが年齢・性別分けされて閉じ込められていた部屋が、現在では当時の様子を紹介する展示物が置いてある。 それによると、特に18~19世紀にかけては奴隷貿易が最高潮に達していたとされ、何百万ものアフリカ人が奴隷としてヨーロッパ、北米、中米、南米、そしてカリブ海などに連れ去られていったと記されている。

 悲惨な運命を辿った当時のアフリカ人奴隷のことを思うと、何ともやるせない気持ちになった。




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 島は静かで、感じの良い所だ。 もちろんダカールから日帰りでやって来る観光客の多さから、それと比例するようにお土産物売りの数も多いのだが、それを差し引いても少しゆっくりの出来る所ではある。 特に、ダカールのあの人と物と建物で密封されたような環境からやってくると、尚更そう思ってしまう。

 それに、島の高台から見下ろす街の景観の良い事や、視界を遮る事のない海の広さは言うまでもなく心地良くて、少し気分転換をする事が出来る。



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 そののんびりとした景観と雰囲気からは、とてもここが以前奴隷貿易の拠点として成り立っていたとは信じ難い。 何故かこういう所に限って、そういった悲しい過去があるものなのだ。

 今後、この地がこれからの人類に対してどうあるべきなのか、何を伝えていくのか、、、 そんな事を思うと、ちょっと気軽にやって来た自分の気持ちをどこか引き締めるような気になった。

 僕にとっては、ここを訪れた事が今まで本や教科書で読んだだけの出来事から、もう少し現実味を帯びたものになったし、歴史を知ることの大事さを改めて学んだ気がする。 それに、僕自身に「 ブラック・アフリカ 」にいることを強く認識させるきっかけにもなった。



 今後、もっとたくさんの人がここを訪れて、その歴史の過ちから何かを学びとってくれることを願う。 人類が同じ歴史を繰り返さない為にも、、、


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by hitoshi280477 | 2006-01-28 13:35 | Senegal
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