Mali vol.3 「 窓付きのバス 」

 カイからバマコまでの距離は約600Km。 それくらいは今まで何度も経験してきたから、なんていうことはないのだが、またそれの繰り返しと思うと正直気が滅入る。 それに、ここアフリカの乗り物は、もちろん日本よりも、ヨーロッパよりも、ましてや南米よりも質が悪いのだから、、、

 現地人である Amadu が用意してくれたバスのチケットは、12000CFA (=約2500円)とあって、それなりの金額はしたが、連れて行かれたターミナルで実際にそのバスを見た時には納得した。 そのバスは、アフリカにあるまじき綺麗さと、しっかりした面持ちをしていたのだから。



 それでも、仏製の「 アフリカ仕様のバス 」なので、車内には ズラッ と座席がある。 その数はもちろん尋常ではない程で、あたかも人間という物体を輸送する為だけに造られた様な感じがした。 もちろんアフリカのほとんどの乗り物は人間の乗り心地などを考えて造られてる筈はない。 しかし、まだ購入して半年にも満たない新しいバスでさえ、乗り心地よりも、一度にどれだけ運べるかを重視して造られていた。

 ちなみに、その名は、「 Afri-Bus 」。

 変わっていたのは、乗車の際に名前を呼ばれることだ。 乗車券を購入する時に名前を告げるのだが、それが今になって名前を呼ばれた順番に乗車出来るシステムになっている。 昨日の夜のうちに Amadu が買っておいてくれたので、僕は彼の名前が呼ばれると乗車出来た。




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 バマコまでの道、そのほとんどは既に舗装されていて快適に進む事が出来る。 まだその道自体も新しいとあって、出来も良いのでバスはかなり飛ばしていた。 カイェを出るときから、最初の200kmくらいまでの場所までは、大きなライフルを持った警護の兵士が一人便乗していた。 というのも、この辺りではまだ盗賊のような輩が出没するらしいからだ。

 バスは約2時間くらいおきに休憩の為に止まった。 というのも、運転手がかなり敬虔なイスラム教徒なのもあって、そのお祈りの為に止まったこともあったからだ。 僕らはその度にバスを降りて、体を伸ばしたり、何かを買ってはつまんで食べたリ飲んだりすることが出来たのだった。



 バスの乗り心地は、、、 まあ、悪くはない。 ただ移動距離が長いので、もちろん移動時間もかかるから、その分お尻が痛くなったり、お腹が減ったり、喉が渇いたり、トイレに行きたくなったり、とそういうことで忙しかった。

 ただ、午後になってから、僕らを載せたバスは未舗装の場所を走る事になった。 この部分だけはまだ工事が完了していないので、完全なダートの道を走る。 それでも、それなりに整地されているので、車が走るには充分だ。 しかし、その分、どの車もかなりの速度で走って行くので、とんでもない程の量の砂埃が常に舞っている、、、




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 乾燥がヒドい場所のダートの道だから、その砂埃の量といったらキリが無い。 対向車とすれ違うだけでも砂埃の中を突っ切って走るのに、前を走る車を抜かす時はもう最悪だ。 まるで茶色い霧の中に突っ込んで行く感じなのだっ!

 とはいえ、僕の乗っているバスにはちゃんと窓がある。 他のもっと安いバスや、乗り合いの車の中にはちゃんと窓が閉まらないものや、窓そのものが無いのもある。 窓があることが当たり前でないアフリカでは、ちゃんと開閉のする窓付きのバスに乗っているは非常に幸運な事だ。 もっとも、このバスに乗る事になったのは Amadu の提案なのだ。 彼もまだこれから先へと進むので、あまり疲れたくないという事もあるだろうが、それ以上に彼の今までの経験からそういった埃まみれの移動はもう嫌だからだそうだ。



 現地人である彼がそういうのだから、それは間違いない事なのだろう。 確かに窓の外に見えるすれ違う車やバスを見ると、中にはとんでもないのがある。 明らかに窓が無いのもあるし、それ以上にただのトラックの荷台に椅子や屋根を造って尋常ではない量(きっとこちらでは普通)の荷物を載っけているトラックバスもある。 その風貌は、いつだかラオスで乗った事のあるトラックバスにそっくりで、僕にあの時のことを思い出させたが、別にもう一度乗りたくはならない。 いや、正直、出来る事なら二度と乗りたくはないのだ。

 実際、すれ違う窓なしトラックバスの乗客の悲惨な様子はよく見えた、、、




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 そういったトラックバスとすれ違う度に、窓のあるバスに乗れたことの感謝し、またそれを提案して準備してくれた Amadu に感謝した。 日中の移動で何時間もかけて行った挙げ句、汗と砂埃にまみれるのは頂けない話なのだから、、、

 果たしてバスは夜の8時過ぎにバマコの何処かのターミナルに着いた。 それなりに程度の良いバスでの移動とは言え、日中に9時間以上もかけて移動したのである。 疲れていない筈がない。 しかも、それなりに汗と埃にまみれ、髪の毛は手櫛でさえも通りにくい、、、



 まあ、今日の移動はこちらでは良い方なのだから、良しとしよう。






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by hitoshi280477 | 2006-02-03 16:38 | Mali
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