正直、行くことを躊躇っていたものの、一緒にいた日本人旅行者が行きたいということと、またその日は市が立つ日なので交通が容易になるということが大きかった。 もしそうでなければ、何十kmかの距離をタクシーをチャーターして行かなくてはならなかったからだ。 いくら物価の安いガーナとはいえ、それでは結構費用がかさんでしまい過ぎる。
結局は、宿の兄ちゃんが教えてくれた通りに、街のメインバスターミナルから、目指す村まで行くことになった。 ターミナルで朝飯を食べている間に、一台目のバスは満席になってしまったので、乗り合いタクシーで行くことになった、、、 そんな所に「 シルグ 」という村がある。 何故この村に来たかと言うと、その家屋の壁に施されるペイントがとても見事なのだそうだ。 話によると、全て周辺で採れる天然の原料だけを使用して描かれているそうだ。 乗り合いタクシーに乗って、そういった装飾が施された家並みが見えた事が、僕らがシルグの村に入った証拠だった。 少し遠目からでも見えるその家並みは少し変わっているといえば、変わっていた。 魔除けなのか、幸運祈願なのか、何なのか? よく分からなかったが、確かにそういった独特なペイントを施した家屋が点在している。 「 市場のある日だから、、、 」とは聞いていたが、とりあえず市場の規模も明らかに小さいことから、それは大して気にも留めなかった。 気になったことといえば、こんなガーナ北部の小さな村に、大量の日本の自転車があることくらいだ。 その経緯は全く分からなかったが、ちらりと一目見れば、それは間違いなく日本製だということが分かる。 中にはまだ盗難登録や駐輪場のシールなどが貼っているものもあった。 まあ、それはさて置き、、、 しかし、一体何の為に、、、 ??? まあ、ただの娯楽でやっているだけかもしれない。 というのも、どの家もこういったペイントを施しているわけではなく、ほんの数件しか目にすることは出来なかった。 恐らく、土着宗教などに相当信心深い人か、もしくは経済的に裕福な家のみだ。 僕が間違いなく言えることといえば、それは「 いや~、絵になるねっ 」ということのみだ。 灌木の多い地域とはいえ、大地の大部分が乾燥している為に、その景観はかなり貧相ではある。 たまにある大きなバオバブの木がなければ、ここはよっぽど絵にならない所ではある。 そんな中に、このようなペイントの施された家屋はあるのだ。 見ている限り、そこに規則的な何かはなく、ただ単に同じ柄が壁の側面にペイントされているのみだ。 その色にはなんらかの意味があるのかもしれないが、もしかしたら、ただ単にこの辺りで造れる顔料がそれしかないだけなのかもしれない。 ただ、その姿がなんとなく可愛いのだ。 こんな可愛らしい家を造る感覚というか、ユーモアというか、、、、 そこが独特で面白い。 そこに住んでいる人は、一体どんな人なのだろう、、、 などとつい考えてしまう。 しかし、まるで円陣を組むかのように造られた家屋は、その容姿からは察しにくいが、やはりしっかりと住む人々の生活を支えていることだろう。 実際に住んでいる人が知っているかどうかは知らないが、人間は尖った所に住んでいると、心も尖ってしまうのだそうだ。 ということは、こういった家に住む人は、そのいわれ通りだと、きっと 心の和んだ人 なのだろう、、、 そう願う。 Copyright (C) HITOSHI KITAMURA All Rights Reserved.
by hitoshi280477
| 2006-02-23 18:54
| Ghana
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