そして、当初、西アフリカの最終目的地と決めていたガーナの首都アクラに着いた。 それは、あまりにも順調過ぎる旅路ではあったかのように思われた、、、 そんな思いが頭の何処かにあったが、いずれにしても、アクラは何をするにも便利で、且つ活気的な街ではあった。 英語圏ということもあったし、一段落着いたということで、少し休憩したり、荷物を日本に送ったり、諸々と必要な物を買い足したりし、また、これから先のことを検討するのに情報収集を、今では欠かす事の出来ないインターネットへの日本語でのアクセスが可能なこともあった。 それに、西アフリカへの基点となる街だけに、久しぶりに日本人が4人も集まる機会があった。 西アフリカへの旅行といえば、日本人だけでなく、世界中からの旅行者の数はかなり少なく、いると言えば仏語圏からの旅行者が異常に多い事で知られている。 無論、仏語圏からの旅行者は仏語で話すので、仏語を理解出来ない旅行者には歯がゆい思いをするのみだ。 その為か、日本人旅行者は西アフリカでは寂しい思いをする事が、他の地域に比べかなりある方だと思う。 マリのジェンネから一緒でアフリカ制覇を目指す人と、何故かガーナにもう二ヶ月もいる旅7年目の人と、そして去年ブラジルで会った事があってエジプトのカイロから飛んで来た人と、そして自分を含めた4人だ。 さすがに西アフリカともなれば、出会うのも濃い面子になる。 その旅友同士で、特に内容のない話をしたり、旅の情報交換をしたり、太鼓やゲームで遊んだり、カレーを作ったりをしていた。 そんなわけで、アクラではいつの間にやら2週間も過ごしてしまっていた、、、 街の中心街というのが掴みにくく、強いて言うならばマコラ・マーケットの辺りだろう。 この市場がどれくらいの規模なのかを数字で知る事は出来なかったが、実際そこに行ってみれば、そこはきっと西アフリカでも随一の大きさを誇る市場だという事は分かる。 いや、規模でさえ知る事も出来ないが、密度だけは間違いなく肌で感じる事が出来る。 それほど、マコラ・マーケットは人と物に溢れている所であり、活気のある所だった。 所狭しと形容するには足りない感じがする程、市場は人と物とでごった返している。 何が売られているかと言えば、、、 まあ、生活に必要なものは全て売られている感じだ。 製品のおよそほとんどは同じ物を取り扱っているものだから、そんなに辺りをウロウロしてもしょうがないように思えるのだが、明らかに違うのは「 値段 」だ。 もちろん 言い値 なんかは軒並み違ってくるので、同じ商品を、違う数件の店で聞き回らなければ適正価格が見えてこない。 ほんの少しの買い物の為に、辺りのお店を人に揉まれながら歩いて行かなければならない。 地元の人が皆そうやって毎日生活しているのだと思うと、ある種の尊敬の念を抱いてしまう。 それほど、この辺りをウロウロするのは疲れるのだ。 何せ、人と物の量が半端ないのである。 歩道も、道路も、店と店の間も人と物で埋め尽くされているのだっ!! 市場の裾野は広く、何処までが市場で、何処からが普通の街なのかは検討つかない。 市場の喧騒から逃れるように足早にしばし歩いて行くと、いつの間にか市場を出ている感じだ。 それでも、路上での販売や、歩道での屋台が至る所にあるので、その全貌を知る事は出来ない。 「 OSU 」という街がある。 宿からは乗り合いバスで20分程離れた所にある。 そこは、ガイドブックによると、「 青山のような、原宿のような、、、 」と言われている所ではある。 また、近くに大使館も多い。 確かにオスは少し華やかな場所には見えた。 大きなスーパーや、デカデカとしたネオンサインを掲げるレストラン、それにファースト・フードのお店などもあるくらいだ。 とはいえ、それもそこまで大規模なものではなく、また目新しい何かがあるわけでもないというのが本音だ、、、 辛口ながら。 用事を済ませる為に、何度か市バスなり、乗り合いバスなりに乗ったが、アクラの街はよく出来ているようで、交通網が酷いことに気付いた。 何せ、街の至る所にバスターミナルがあり、所によってはそれが大きなラウンド・アバウト(ロータリー)のすぐ横や、マコラ・マーケットに隣接している建物の脇だったりする。 それに一方通行が多い。 郊外に行くのには、大きなバスターミナルがあるのだが、街中からそこに行くのには、小型の乗り合いバスやら何やらに乗って行かなくては行けないし、行き先によっては何故か街のど真ん中から出ている。 それらが、街を縦断したり、周回する市バスやら乗り合いバスやらとゴチャ混ぜに走っているのだから、もうその様子は散々だ。 特に、夕刻時のラッシュ・アワーは酷いものがある。 街中から一斉に人が帰宅するものだから、いくら車線がある所でさえも渋滞は免れない。 全く車が進まない中、乗客は砂埃と排気ガスにまみれているのだ、、、 アクラでも散々屋台飯のお世話になった。 ちょっとまともなレストランで外食すると、約30000セディ(=約350円)程してしまうのに対して、屋台での赤飯のような豆ご飯に、ゆで卵とピリ辛の魚のソースだけをかけてもらっての飯(約50円)や、鳥の唐揚げとちょっと野菜の付いたチャーハン(約100円)はほぼ毎食お世話になっていた。 その分、体力も充分回復した。 屋台でのご飯を侮っていた僕には、そのギャップが嬉しくもあり、また経済的にも助かった。 それに、一応ガーナの味に少しは触れることが出来た事と思う。 もっとも、チャーハンは別物だが、、、 それでもそのチャーハンだって、ちゃんと中華鍋を使って、ガーナ人が料理しているのだ。 それと、赤飯のような豆の入った飯とあの魚のピリ辛ソースは、アクラの蒸し暑い中食べるご飯としては食欲を刺激する面でも、栄養の面でも、大助かりだった。 そんなこんなで、日々、旅行における作業なり、遊びなり、観光なりをしていく中で時は経ち、行きつけの屋台もあったことから、「 まあ、とりあえず まだ アクラで、、、 」となってしまっていた。 そして、最終的には、ガーナ滞在三週間のうち、二週間をアクラで寝泊まりしたことになった。 まあ、アクラはそんな所ではあった。 Copyright (C) HITOSHI KITAMURA All Rights Reserved.
by hitoshi280477
| 2006-02-27 19:03
| Ghana
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