Togo vol.2 「 呪術的市場 」

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 呪物崇拝

 辞書で調べると、そんな言葉が検索された。

 読んでみると、「 アフリカの未開社会に見られる呪物の崇拝と儀式、、、 」とある。

 確かにあそこで見て、聞いたことを振り返ってみるとそれなりに納得する出来る部分が無くは無いかもしれない、、、



 「 Marche des Feticheurs 」という市場がある。

 ロメの街からバイタクに乗る事約15分。 舗装道路からは少し外れた寂しい感じのする場所に、その市場はある。 屋外に軒を構えているせいか、思っていたよりは妖しい感じのする所ではなかったが、すぐに近付いて来た奴らは怪しい感じのする男たちだった。

 ここの酋長?とその付き人のような男たちは、にこやかに挨拶を済ますと、僕たちにここでの決まり事を勝手に説明し始めた。 外国人にも慣れている口調でなんだかんだと説明されたが、結局はお金が欲しいのだ。

 この酋長という男に何か(=お金)のような謝礼だとか、付き人をガイドとして雇わないとこの市場を見て回る事は出来ないとか、、、 旅友が仏語でそんなようなことを言われたらしいのだ。

 何だか意味の分からない話ではあるので、とりあえず無視することで僕らは合意。 何かマズイことがあれば、本気でやって来ると僕は思っていたし、、、



 市場と呼ばれる敷地内に点在するお店を見てみると、その軒先に大きなテーブルを構えていて、その上に何だか不思議な何かがたくさん載っていることにすぐに気付いた。 少し遠目からでも、その異様な光景から妖しい雰囲気が伝わってくる。

 近付いて見てみると、テーブルに並ぶその妖しい物が何なのか分かった。

 それらは、主に動物のミイラだった。 馬や鹿といった大型の動物から、蛇や猿、それにチーターやカメレオンまである。 恐らく狩猟をして捕まえたと思われる豹までいるのだから驚きだ。



 そして、足下見てみると、木製の小さな人形がある。

 もしそれが藁で作られていたら、間違いなく呪いの人形だ。

 というのも、艶が出るほど黒く塗られていて、しかも釘がたくさん打ちこまれているのんだ。 それが一体何に使われているのかは分からないが、あんまり良い意味ではないのかもしれない、、、 まあ、効果はありそうだが。





 そんなのを眺めていると、お店から誰かがやって来た。 店の親父だ。

 嫌な感じがしていたので、あんまり気乗りはしなかったのだが、旅友に誘われてお店の中に親父の言う「 無料での説明会 」に参加する事になった。

 お金がどうこうというのはあんまり綺麗な話には聞こえないが、アフリカで、しかもこんなうさん臭い所では、その辺の所を念を押して聞いておかなければ駄目なのだ。



 お店(といってもただの小屋)に入ると、その隅にはこれまたうさん臭い置物がたくさん並んでいた。

 形はもちろんのこと、大小様々な置物が置いてある。 そのどれもが人や空想上の生き物をモチーフにされていて、木や鉄を加工して作られていた。 見て思ったのは、ただ 異様 ということだけだった。

 僕らはその傍に座るように言われ、そして親父が仏語で話し始めた、、、



 何たらかんたら話をしているのは分かる。 なんとなく会話の内容も分かる。 そして、言いたい事もなんとなく伝わっていた、、、 が?

 彼らの信仰する呪術に関する簡単な説明を受けると、親父はそのいくつもの置物の中から小さな筒状の物を僕らの目の前に差し出した。 それは、手の平に余裕ですっぽりと入る大きさな小さな筒で、昔何処かのお土産物屋で見たことのある七味唐辛子が入っているような筒だった。



 「 いいか、これはな、、、 」



 仏語で話しているので、細かいことは分からないが、どうやら魔除けのような、幸運を呼び込むようなアイテムらしい。 まあ、全く持ってうさん臭い物ではある。 親父は、その小さな筒の横に付いている小さな栓を抜いて、何だか何かを吹き込んでいる様子。 そしてまた仏語での説明がある。

 親父曰く、、、



 「 これは君たちのような旅行者にはピッタリの一品だ これは無事に旅行出来るように、、、 なんたら、かんたら、、、 」



 よく意味の分からない説明ではあったが、どうやらその小さな筒が旅の道中のお守りになるとか、ならないとか? とりあえずどっちでもよいし、別に欲しくもない。 なので、あまりその筒に興味を示さずにいたが、ハッキリ言っておこうと思って「 要らない 」という旨を伝えると、なんと親父はその筒をそのそばに ポイッ と放り投げてしまったのだった!!

 「 なんてことを、、、 って、いいのか? 」

 そう突っ込んで聞いてみると、「 別にいいんだ 」みたいな態度を示している。 明らかにどうでも良い品物なのだ。 それをあたかも何か奥深い意味でもあるかの如く説明して、売りつけようとしていたのだっ!

 それで、結果商品そのものをお客の目の前で放り投げるとは、、、 なんたる愚か者だ。



 旅友と二人で目を丸くして、僕は呆れていたが、彼は「 なんか他にないのか? 」と聞いてみた。 が、その結果「 もう他に何もない 」と言う、、、

 先程、店内に連れ込むまではあんなり商魂逞しかったのに、一度売れないと分かるとこれだ。 なんたる愚か者だ、コイツはっ! そんなんで商売になるのか? そんなんで生活していけるのだろうか? こちらは関係のないことだが、あまりにも商売にやる気がなさ過ぎて、どちらかというと心配になる感じだ。 まあ、向こうがそうなら、もういいや、、、





 最後に、お店の前に並ぶ 商品 を写真に収めようと思い、一応確認を撮ると、やはりお金で解決のようだった。

 そんなにお金を払う必要はないのだろうが、後でグダグダ言われたり、もめ事になるのは避けたいので、交渉の末、少しの金額で写真を撮らせてもらうことになった。

 結局、お金があれば、何でもよい感じだ、、、 最低。





 そこには結局一時間ばかりいたのだが、結局のところ、その呪術のことはよく分からなかった。 というか、話を聞いても、きっと理解出来ないことと思う。 まあ、そんなものだ。

 確かに不思議な体験をしいたといえば、それで話は解決する。 ただ、ここ西アフリカではそういった超自然的現象を信じているのは事実のようだ。 それが、自然なり、動物の亡骸なり、木の人形なりといろいろな形をとってはいるが。

 現代でもそれを信じているのは、ちょっと首をかしげてしまう部分もあるが、その本人たちが信じていて、人に迷惑をかけなければ、それで良いと思う。

 そう、放っておけば良いのだっ!






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by hitoshi280477 | 2006-03-08 15:55 | Togo
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