New Zealand vol.8 「 Maoritanga マオリの文化  」

a0086274_19123380.jpg 千年以上前にNZに渡ってきた民族がいる。 タヒチやクック諸島から渡ってきたとされるポリネシアの民族、「 マオリ 」だ。 彼らが初めてこの地を踏んだのは、未だ正確な年代は分かっていないものの、彼らが南太平洋に広がる島々から渡ってきた事だけは間違いないようだ。 それは、今日ここNZに生きるマオリの人々の顔つきを見たら誰でも頷けるくらいだ。

 文字で物事のやり取りや、歴史を残してこなかった為に、彼らのNZ入植初期の頃の話はよく解明されていない。 けれども、彼らの祖先が当時のNZで Moa やアシカなどを食料として狩猟し、その恩恵に預かっていたのは本当のようだ。 この土地自体に対しては、マオリ独特の創造神話のようなものがあるし、 彼らの中にも他の南太平洋の島々のようにある種のアミニズムのような、特殊な信仰や価値観がある。 文字で物事を書き残してこなかったとはいえ、歌の中に歴史や伝統などは盛り込まれているそうだ。 そういう所に、文化の違いは既にある。

 マオリの人々は好戦的で、実際領土争いから生じた戦争をよくしたそうだが、その反面、家屋や身につける装飾品などには細かく気をつかっていたらしく、その名残が今日ではマオリの文化の一端としてよく目にする事が出来る。 特に、石や木などを削って作り上げものには、そのデザインのユニークさから、異文化から来た人々にも高い評価を受けているようだ。 それに、話に聞くと男尊社会ではあったそうだが、それは女性を守るという配慮から来ているようだ。



 今日、NZの全土に散らばるマオリの人々は、今まで他の国の先住民たちが味わった苦労を同じような気持ちで経験した部分があったが、この国の一員としてかなり社会に溶け込んでいる様に僕には思えた。 しかし、文明社会に染まりつつある面もあるが、その一方で自分たちの独自の文化を誇りに思い、それを世間に知ってもらう為の場がNZの至る所にある。 僕はそのマオリの文化を少しでも知ろうと思って、ロトルアという街にある「 TAMAKI タマキ 」というマオリの文化村が主催するツアーに参加する事にした、、、







 「 Te Wero 入村の儀式 」

a0086274_19124074.jpg まずは入村の儀式から始まるのだが、これはマオリの村を訪れる儀式や礼儀の中で、最も重要な部分でもある。 というのも、村の入り口からは、まず最初に手に槍を持った戦士が大声を挙げて、相手を飲み込むくらいの勢いで登場して来るのだ。

 これは見せ物のパフォーマンスではなく、本当にそういう儀式をマオリの人々はずっとしてきたのだそうだ。 村の入り口では、この戦士たちを見守るかの様に、村民たちが総出で現れ、そして何かしら歌のようなものをずっと口ずさんでいる、、、 そして、その戦士の一人が差し出した Teka 友好を示す物を、こちら側の酋長が収めると、やっと入村出来る事となる。

 ちなみに、これを失礼な振る舞いや、拾って投げつけたりすると、その場で戦闘が始まるそうだ。 要は、村に来た者が、敵なのか、味方なのかを判別する儀式なのだ。



 「 Marae  村のような所 」

a0086274_19125988.jpg 入村許可が降りると、客人たちは村の入り口をくぐって中へと入る事が出来る。

 鬱蒼とした森の中に、当時の生活の様子が再現されていて、背の低い家屋の前で、それぞれが歌を歌ったり、踊ったり、ポイと呼ばれる紐の先に丸いボールのついた物を振り回したりしている。

 中には、更なる戦士の踊りを披露したりもしてくれているが、その最中にマオリの人々の独特の挨拶?である舌をぐっと出したりしてくれるのである。



 「 Haka マオリの踊り 」

 ある程度の時間を、村の様子を見て過ごすと、今度は更に奥にある大きな家へと招待される。 集会所のような感じの所ではあるが、ここでマオリ独特の歌と、踊りと、スピーチと、そして歌と、踊りと、スピーチと、更に歌と、踊りと、スピーチと、、、 が続くのである。

 その中でも目を引くのが、戦士の踊りである「 Haka ハカ 」だ。 今ではどのような形の踊りも一括りにして、そう呼ばれているそうだが、本当は戦士が戦いの前や、客や敵かを判断する時に踊ったものであるそうだ。

 この踊りは、、、 なんと言っても迫力があるっ!!



 「 Hangi マオリの伝統料理 」

 土を深く掘り、その一番したに熱く熱した石を敷き、その上に肉や野菜の入ったカゴなどを順番に載せていき、濡れた布で覆い、最後に土を盛って蒸し焼きにするのがマオリの伝統的な料理の仕方だ。

 それが、参加客たちは夕食に食べる事が出来るようになっている。 とはいえ、今では手に入らない食材も多いというのが事実。 実際、今でも食べられるのは、野菜くらいのことだろう。 ただ、食べてみるとかなり美味しい。



 「 Hongi  マオリ式挨拶 」

 鼻と鼻を合わせる事で、友好を表すというかなり独特な挨拶の仕方ではある。 実際は、入村の時に、こちらの代表である酋長行っていたのだが、僕らを送迎してくれた人が、わざわざ一人一人にこのホンギで別れの挨拶をしてくれたのだ。 少し照れ臭く、初めての人にはやりにくい挨拶ではあるが、こちらを最後まで持て成そうという気持ちが感じられたのは本当だ。





 僕が感じたマオリの人々は、、、 ハッキリ言って、見た目はむっちゃ怖い。

 街で会ったら少し避けて歩いてしまいたいぐらいに怖い。

 何せ顔にはがっちり入れ墨が入っている男の人もいるし、女の人もいる。 それに、戦闘民族なのだからだろうか、体がやけにゴツい人が多い。 元々、南太平洋の島々から渡ってきているのだから、それは分かる話なのだが、実際目にして見ると、その体の大きさに圧倒されてしまう。

 それに、昔は負かした敵は、奴隷になるか、食料になるかといった文化を持つ人々なのであるっ! 何でも、負けた相手に食べられてしまうのは、最大の屈辱なのだそうだ、、、 って、もう死後の話なんですけどっ!?



 けれど、家屋や装飾品に見られる細かいデザインや、家族や村といった単位で生きてきた事から仲間には優しく、また話を聞いても、話をする様子を眺めていても、何だか気の良さそうな人々ではある。 彼らの笑った顔に、そういった一面が見える。


a0086274_19131959.jpg
 今日の世界では、未だに民族争いや差別が酷い所も数多くある中で、このマオリの人々に限っては「 うまくやってるのかも? 」とそう感じた。

 これは、僕の先入観が間違っていただけの話なのだが、特に何ら根拠はないが、マオリの人々がほぼ白人が作り上げてきたであろうと僕が勝手に思っていたNZの歴史に、深く関わっているのは間違いないし、これからもそうであると思われる。

 普通に西洋風の学生服を着て、白人だけでなく、他の人種に混じって学校に登校する子供たちの様子を見ていると、そんな気がしてならないし、そうであって欲しいと思う。






Copyright (C)  HITOSHI KITAMURA All Rights Reserved.

[PR]
by hitoshi280477 | 2005-10-18 05:16 | New Zealand
<< New Zealand vol... New Zealand vol... >>