Sri Lanka vol.8 「 リゾート嫌い 」

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 超朝方人間である僕が、朝早く起きるのは大した苦ではない。 それがたとえ日の出前であってもだ。 他の人の中には、「 早寝早起き 」もしくは、「 遅寝遅起き 」もいると思うが、僕は「 早寝でも遅寝でも早起き 」なのだ。

 いつも通り、セットした目覚ましよりも早く起きると、まだ外が暗過ぎることに気付いた。 しかし、朝は早くに起きたのには理由があるのだ。 その為に起きたので、いてもたってもいられず、カメラを手に、とっとと外に出ることにしたのだった。

 昨日からの強風で、浜は寒々としていた。 椰子の木が強風に煽られてしなっている様子がよくわかる。 まだ早過ぎたのか、浜に人出は少なかった。 見上げれば、雲の流れが早く、またその雲がどこか不吉な色をしていた。 それでも僕は、その寒々とした砂浜を歩くことにした、、、 ある事が見たいが為に、、、



 「 ニゴンボに滞在することがあるのならば、朝はうんと早起きしよう。 海岸では地元の人々の漁や、地引き網をする姿がきっと見られることだろう、、、 」などという某ガイドブックの誘いに、まんまと引っかかってしまったのだった。 引っかかったと言っては、語弊があるが、実際その言葉に期待してここニゴンボまで来ていたのだった、、、



 しかし、いくら歩けど、視界に入るは寒々とした砂浜と怪しい雲行きの空のみ、、、 ぼつぼつ人が出始めて来ているのは確認出来るものの、期待していたような「 地元の人々の地引き網 」する姿なんぞはハッキリ言って、視界の届く限り認めることは出来なかった、、、 翌日にフライトを控えていたので、今のこの瞬間だけがそれを見るチャンスなのに、、、 がっくし。

 うなだれて砂浜を引き続き歩いていた。 どこかにまだ希望しつつ、歩いていたのだが、、、 やはり何所にも探していたその姿は無かった。 歩くのにも限界があるので、半ば釈然としないまま、今まで来た道を引き返すことにした。 「 来た道を引き返す 」、一番嫌な事ではある。 足取りは重く、どうしてもトボトボと歩いてしまう。 



 しかし、そうしていると足元に自分の陰が見えた。 そう、さっきまではハッキリしていなかった日の出だ。 空を見上げると、まだどこか怪しい面持ちをしながらも、さっきよりは確実に空に明るみが増していた。 そして、顔を上げて空を見上げ、また辺りを見渡してみると、、、 ???

 遥か海の彼方と言うまでは行かないが、水平線の上にポツンポツンと何かが並んで見える。 「 海に浮かんでいるからには、、、 」とそう思い、手にしていたカメラを思い出した。 最新の光学12倍、デジタルと併せて48倍のズームを誇る新しいデジカメだ。 35mmフィルムカメラに換算すると、およそ432mmだとか? まあ、バズーカーのようなレンズを搭載しているくらいの代物だろう。



 急いでデジカメで、その様子を見ることにした、、、


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 見える、見える。 実によく見えるのだ。 驚く程の望遠を備えたそのデジカメで、人々が沖で漁をしている様子を見ることに成功した。 荒波に乗る船の上で作業する漁師の姿がよく見える。 実に驚きだ。 何が驚きって、そんな第一次産業の代表とでも言える漁と、最新技術を駆使して作られたデジカメで覗き見することが出来るってことだ。

 まあ、そんなことはどうでもよい。

 夢中になってシャッターを切ってはいたが、心の中ではその漁師たちのことを感心していた。 レンズを通して見ると、彼らの船であるアウトリガーは波に揉まれまくっていて、時にはこちらからマスト以外はその姿が確認出来なくなる程だ。 それでも、彼らは仕事をこなしているようだった。

 漁師の世界はストイックだとは聞いていたが、確かにその通りだった。 僕は、僕がそのアウトリガーに乗っている所を想像してみたが、とてもじゃないが5分と保たないことだろう。 それほど、そのアウトリガーは波に揉まれていた。 そんなアウトリガーが水平線の上に無数に見える、、、 そこで働く漁師たちのことを考えると、何だかじ~っんと来てしまった。





 ハッキリ言って、僕はリゾートが嫌いだ。 しかも、一人となると最悪だ。 何せ、する事がない。 以前はスキューバーダイビングという一番の楽しみがあった為に、よくリゾートとまでは行かないが海には行った。 しかし、それも以前なった気胸のせいで、、、

 そもそも、リーゾトなる場所に、僕のような個人旅行者は来るべきではないのだ。 自分の旅に求める何かが全く持って違うのだから。 まあ、今回に限って言えば、それはしょうがないことなのだが、それもしょうがない。

 しかし、しかしだ。 頭では分かりつつも、リゾート特有の雰囲気、物価の高さ、環境、、、 などなど好きになれないことが多過ぎる。 そんな奴は間違いなくこういった所に来るべきではないのだ。 リゾート地が、いくら地元の活性化、雇用の増大に繋がると言ったって、それは一部の話だ。 環境破壊や地元の伝統や慣わしを変化・破壊してしまうことも多々あるだろう。 実はこのニゴンボも、リゾートホテルの為か、政府の方針か、ホテルの前での漁は出来なくなってしまったとか? そのホテルで仕事を見つけることが出来た人は良いが、元々漁師をやって暮らしている人々には少なからず悪影響を与えたことだろう、、、





 夕方、再び砂浜に出た。 日中は、「 リゾート嫌い 」爆発で、何にもせず、部屋にこもってゆっくりしていた。 日が傾きかけた頃を見計らって出た砂浜は、日差しも柔らかくなっていて、吹く風もかなり心地良くなっていた。


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 人の集まっている方に行ってみると、地元の人々が家族や友達と一緒に来ていて、中にはこの夕方に泳いでいる人もいた。 ほとんどの人は波打ち際で、寄せては返る波を戯れていた。 辺りが少し夕焼け色に染まる頃のその光景は、それはとても綺麗で、また人々の笑顔が夕日に照らされていて、、、 子供たちは飽きもせず、いつまでもその波うち際で遊んでいた。


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 友達と仲良さそうに遊ぶ若者たち。 子供を気遣いながらも、海で遊ばせる大人たち、、、 笑い声が絶えない若者たちの姿に、子供を抱きかかえる父親の姿に、手を離さない母親の姿に、この国でもやはり家族の絆、人と人の距離は近いのだと感じた。

 さすがのリゾート嫌いでも、その光景を目にすれば、、、






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by hitoshi280477 | 2005-08-23 18:56 | Sri Lanka
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