「 参道をずっと登って行けば、頂上に出ることが出来る 」
そう聞いていた僕は、とりあえず麓にある乗り物の集まっている場所から頂上の方へと続いていると思われる参道を選んで登って行くことにした。 目指すマンダレー・ヒルの頂上は標高236mの地点にあるという。 まあ、大した登りではないと思うが、、、 どうやら参道も、お寺の中やパゴダのある所と変わらないらしく、素足で行かなければならない。 しっかりとしたコンクリートで造られている参道は、少しヒンヤリとしていて、どちらかと言うと気持ちの良いものだった。 特に、暑いこのマンダレーでは足の裏だけでも涼しくなれるのは良かった。 結構急な階段を上る人の数は多く、それはこのマンダレー・ヒルがまだ「 生きている場所 」だということを伝えてくれていた。 というのも、外国人旅行者にとって有名な観光スポットでも、地元の人が誰も訪れず、「 死んでいる場所 」というのはよくあることだからだ。 それを思うと、何だか階段を上るペースが少し早まる気持ちになっていた。 参道の階段は緩やかとは言え、やはりそれなりの傾斜に造られている。 所々に休憩出来るような場所が設けられているのは有り難く、そこからはこれまでどのくらい上ってきたかも分かるし、これからどの位上れば良いのかも分かるようになっている。 というか、参道自体細くて、その上を覆う屋根も幅が狭く、またウネウネと曲がっている部分から、外の様子が良く見えるだけの話だが、、、 更に上ると、今度は眼下にマンダレーの旧王宮が見える。 外壁の一辺が2Kmを越え、水を張った外堀も合わせると2.5Kmほどになる。 とてつもなく大きな王宮の亡骸だが、話によるとこの王宮は現役としては25年程しか実際に使用されなかったらしい。 当時の王朝が、大英帝国による侵略を受けたからだ。 参道を上って行くと、その途中に幾つも仏像が祭られているのに気付く。 大小様々で、また形も違うが、その中でもここで一番有名な仏像と言えば「 予言を与え給う仏陀 」だ。 背の高いその仏像は、脇に弟子のアーナンダーを従えて、高々と上げた指は旧王宮の方角を指している。 果たして、一体どんな予言を与えてくれるのか? 残念だが、言葉の分からない僕には今イチどうして良いのか分からない、、、 そういった幾つもの仏像の祭ってある場所を越えて行くと、やっと頂上に辿り着ける。 途中、そういった仏像を見たり、休憩を挟んだので、時間にしてみれば一時間半くらいはかかっていることだろう。 頂上にはこれまた様々な仏像があったが、どれも似たようなもんだった。 「 何ぞ、この罰当たりめがっ! 」とでも言われてしまいそうだが、同じ仏教徒と言えども、ミャンマーの仏教徒と日本の仏教徒はあまりにも違う。 はたまた、チベットの仏教とも違う。 そもそも、仏教も今ではかなり広範囲に広がり、その分「 宗派 」というのも出来てしまったくらいだ。 なので、僕が仏像に詳しかろうが、なかろうがあまり関係ない、と思う。 ミャンマーで少し変わっていることは、伝統歴「 八曜日 」というのがあるところだ。 これは産まれた年と月から算出した曜日といもので、誰しもにもこの八曜日は当てはまる。 何日に産まれたか、というよりも何曜日に産まれたかが重要だと言われている。 この八曜日が西暦の七曜日制と違うことは、「 月火水木金土日 」の「 水 」を「 水・午前 」と「 水・午後 」に分けている点である。 何故そうなのかは良く分からないが、まあそういうことなのだ。 そして、その八曜日はそれぞれのシンボルともマスコットとも言うべき「 動物 」がそれぞれにあてがわれている。 同じく「 星 」と「 方角 」もある。 このマンダレー・ヒルの頂上にもそれらの祭壇があり、人々は自分の属する曜日の動物たちを水で清めている。 その姿、何とも滑稽に見えてしまうのだが、こちらの人々は真剣そのものだ。 ちなみに僕は「 木曜日 」で、動物は「 ねずみ 」ということになっている。 途中から一緒に登ってきたミャンマー人の一行ともお別れすることになった。 言葉は一言も通じなかったが、それでも「 一緒に登ろうっ 」というような振る舞いで僕を招いてくれた。 ミャンマーの人々の人懐っこい一面をこの女の人たちに感じたが、一緒にいた一人の男には正直困惑した。 「 言葉が解らない 」と何度も言う僕を無視して、何度もビルマ語で話しかけてくる。 正直、ろれつがおかしい気もした。 この男の何が悪いのかと言うと、コイツは一緒にいる女の人たち5人を代わる代わる引っ叩いたり、首根っこを掴んだりするのだ。 それも、日本人漫才師のような引っ叩き方だ。 いくら親しい間柄とは言え、コイツの態度は度が過ぎる。 見ていて頭に来たので注意するも、コイツはヘラヘラとしている。 ミャンマー人男性は「 素朴で、真面目で、優しい 」としか頭になかった僕は、正直この男に驚かされた。 とんでもない輩ではある。 まあ、そんなこんなも楽しい旅の思い出。 嫌がる彼女らを、無理矢理記念撮影させた僕も大して変わりはないのかもしれないが、、、 Copyright (C) HITOSHI KITAMURA All Rights Reserved.
by hitoshi280477
| 2005-08-04 01:43
| Myanmar-2
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