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Argentina vol.5 「 都 ブエノス・アイレス 」 -未-

「 南米一お洒落な街 」という噂の街、ブエノス・アイレス。 ハードな部分を行くだけが目的ではない僕の旅。 中米、南米を通していつもずっと気の抜けな状況が続いていた。 治安の悪さに、言葉の問題、移動の大変さはもちろんなのだが、それら全てをいつも頭の何処かで考えていると、時として嫌になるときがある。 もちろんそういうことをわきまえた上でここまでこうして来ているのだし、そうやって転々としてきた道中、僕は予想以上の感動と興奮を覚え、結果としてとても満足している。 

 が、しかし。 ここに来て、僕は何故か「 都会の喧騒 」と「 利便性 」が妙に恋しくなってきた頃だった。 パタゴニア旅行を終えるに連れて、ブエノス・アイレスへ早く行きたい気持ちでいっぱいだった。 大変なのは当たり前、物が無いのも当たり前、食べたい物が食べれないのも当たり前、、、 しばらくそういう生活をしていくのには慣れてはいるが、僕はやはり「 都会人 」なのだろう。 悲しい性とも言うべき、人や物が恋しくなってしまう時がやはり心の何処かにあるのだ。 それがここに来て、自分の中で高まってゆくのがわかった、、、





 

 ブエノス・アイレスと言えば世界でも有名な都市だ。 もちろんこの南米大陸の中でも有数の巨大都市であり、アルゼンチンの首都だ。 整然とした街並みは一国の首都としては充分と言えるほどだ。 地図上で見ればそれは明らかなのだが、その碁盤の目のような街の造りは街を歩けばすぐにわかるほどだ。 それにそこを分断するようにほう斜めに道路が通っているものだから、歩いていて迷うことはあっても退屈することはない。






 しかし、街に林立する建物はこれといった特徴のない退屈な見た目だというのはある。 背景としては生きてくるが、それをメインに観てしまうとどちらかと言うとつまらなく、何だかくだびれた感じのするところだった。





 この街の中心はフロリダ通りとラ・バジェ通りの交差するところだそうだ。 そこはいわゆる「 繁華街 」で、いろんな店舗が軒を連ねていて、お洒落なカフェや映画館などがあったりする賑やかなところだ。 人の往来も激しく、またその人々の歩く速さから速さからここの都会ぶりが伺えた。

 南米を代表する大都市と言えば、それその通りなのだけど、結局は大きな街というのが僕の結論だ。 見る所変えれば違うのは知っている、中でも ボカ地区 という所は芸術家の集まる街?らしく街の景観もこの中心部とは異なり、写真で見るかぎりは賑やかそうな感じだった。 しかし、それに対して少し否定的だった僕は行かないことにした。








 僕の泊まっていた宿の周辺は「 ここは本当にブエノス・アイレスか? 」と思わせるほど、普通の街だった。 いや、どちらかと言うと( ここにいて大丈夫か? )と思わせる感じのする所だった。 というのも、酷く殺風景なのに加えて、どうやら辺りに低所得者がたくさん住んでいるからだった。 夜になれば、ゴミを回収して、その中から使えそうなものを拾っている人々がその界隈を徘徊しているからだ。 特に危険な気配はしないのだが、やはり普段目にしないその様子は少し僕を不安にさせた。

 また道路を一本外れれば、( まあ、何かあってもおかしくないかな? )と思わせる雰囲気が漂っている所が多い。 前にパナマで会ったブエノス・アイレス出身の人は、「 どちらかと言うと、ブエノス・アイレスの郊外の方が怖い 」と言っていたのを思い出した。 聞けば、ここには00人街というのがあって、それがボリビア人街とかブラジル人街とかだとすると、少し危ないらしい。







 ブエノス・アイレスでの日々は、何だか実りの少ない感じがしていた。 特に行きたい場所があるわけでもなく、特に見たい何かがあるわけでもなく、特にしたいことがなかった。 結局、ダラダラとしてしまった。 ブラジルビザを取る為に少し時間がかかることもあったし、思っていたよりも蒸し暑かったこともあって、僕はあんなに来てみたかったブエノス・アイレスを早く脱出したくなっていた、、、

 そんな頃、忘れかけていた「 タンゴ鑑賞 」を思い出したのだった。








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by hitoshi280477 | 2005-01-10 09:48 | 未- Argentina
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